セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト
セミコンポータル

一層重みを増すグローバル市場を牽引していく新技術・新製品

Apple社およびIntel社の好業績発表を見て、数10年前に取り組んで今も頭に強く残る「グローバルに通用する最先端技術の優位性確保」という目標が表わすその重要度をまたぞろ感じるところがある。新規性、魅力に富んだ新製品、そして先行するプロセスおよび設計の開発を継続する積み重ねが、その力強さの源泉と受け止めている。一方、グローバルな開発および生産の分担協業の流れが加速しており、市場・地域・顧客を見据えた「事業展開の優位性確保」が一層問われていく現状の空気を感じている。

≪業界模様と我が国のあり方≫ 
  
NHKテレビの「セカイでニホンGO!」(7月14日)がたまたま目に入ってきて、我が国のエレクトロニクス・半導体業界について以下の点が紹介されていた。

・韓国に抜かれた液晶テレビ
・日本しかない技術、部品の多さ
・ルネサスエレクトロニクスのマイコン製品、自動車業界への影響

インターネットでのこの番組の紹介に、「2011年夏。 セカイで、ニホンは、どこへGOする? ニホンを、ニホン人の心をプロファインリング。 これからの時代を、ニホン人が楽しく生き抜く発想・価値観を発見する、新感覚・エデュケーショナル・エンタメ。 “セカイの中のニホンは、どこから来て、どこへ ...」とある。日本を奮い立たせる材料を提示して議論を深めていく基調であるが、素材および基幹部品というきめ細やかな領域での我が国の貢献度、力強さが、大震災の市場インパクトから改めて認識されたということと思う。

グローバル市場での各社四半期締め業績、実績が発表されているが、好調さが際立つものを挙げると次の通りである。  

◇米IBM、4〜6月、7四半期連続の増収増益、新興国で販売好調 (7月19日付け 日経 電子版)
→米IBMが18日発表した2011年4〜6月期決算、売上高が前年同期比12%増の$26.667B(約2兆100億円)、7四半期連続の増収増益。新興国を中心に企業の積極的なIT投資が続いており、ソフトウェアやハードウェアの販売が好調の旨。
地域別では、中国やインドなどBRICs地域の売上高が21%増(実質ベース)、欧米など先進国は3%増、日本は1〜3月期と同じ5%減の旨。

◇Apple posts record revenues, profits (7月19日付け EE Times)
→Apple社の6月25日締め四半期、新記録の売上げ$28.57B、利益$7.31B、前年同期はそれぞれ$15.70B、$3.25B。向こう3ヶ月は売上げが低下する見込みの旨。

◇Mergers help Intel report record growth (7月20日付け EE Times)
→一つは最近の買収が追い風、Intel社が5四半期連続の最高売上げを記録、$13.0Bで前年同期比21%増、net profitsは2%増止まりの$3B。
今年度は約25%の売上げの伸びという強気の予測の旨。

特にApple社およびIntel社は売上げ記録を大幅に更新する勢いであるが、両社の新技術・新製品でグローバル市場を積極的に引っ張る動きが以下の通り立て続けである。

◇Apple still can't keep up with iPad demand (7月19日付け EE Times)
→iPadが打ち上げられて15ヶ月、Appleは依然その人気タブレット需要に追いつけていない旨。

◇Intel boosts capex, eyeing 7nm node (7月20日付け EE Times)
→Intel社が、今年の設備投資を増強へ、7-nmプロセス技術への道を開き、タブレットおよびいわゆるultrabooksでの活動を強化することが一つにある旨。また、同社のx86 instruction setアーキテクチャーをセキュリティに拡げる計画の旨。

◇Apple plants Thunderbolt in display, Macs (7月20日付け EE Times)
→最高記録の業績発表1日後、Appleが以下の製品展開:
・Thunderbolt interconnectの27インチディスプレイ
・Thunderboltを擁したMacBook Air notebookおよびMac mini desktopの更新版
・Mac OS operating systemの更新版

◇Taiwan comforted by Apple chip spend cycle (7月22日付け EE Times)
→Taiwan Economic News発。グローバルな経済状況の懸念にも拘らず、台湾は、次のApple製品ニーズが引っ張って2011年後半に予想される半導体購入サイクルから恩恵を得ようとしている旨。Appleは、Macbook Air, iPhone 4SおよびiPad 3など次期製品用半導体を8月に買い始める見込みの旨。

◇22nm Finfet May Extend Intel's Two Year Lead In Process (7月22日付け Electronics Weekly (U.K.))
→先週のIFS 2011にて、Future HorizonsのCTO、Mike Bryant氏。Intelは、半導体業界でプロセス技術において他に2年の先行、今年後半導入予定の同社finfet-ベース22-nmプロセスで満足な歩留まりが得られれば、さらに先行していく可能性の旨。Intelは2009年以降32-nmの量産出荷を行っている一方、他ベンダーは量産に入ったばかりの現状の旨。

このような業界模様のなかで、我が国は如何にあるべきか。素材および基幹部品の強みをさらに積み重ねて、グローバル市場でのプレゼンスを高めていくことが自然な流れではある。最近ある本で目にした講演記事の中に、我が国が目指すべき国家像について、「大国としての責任を果たしながら、理性的な行動で尊敬される国家」、「日本は世界の静かな中心であること」と表してあり、我が国らしさの発揮というもの、そのあり方を考えさせられている。

インドの半導体業界からは、ソフトウェアからハードウェアへの拡充がままならない現状への嘆きの声が伝わってくる。

◇ESC India: Domestic industry still struggles(7月22日付け EE Times)
→Embedded Systems Conference(ESC) India 2011(BANGALORE, India)にて、expertsが警告、不適格な政府支援、製造拠点の欠如、venture出資の欠乏、および服従の文化が、インドにおけるembeddedシステムの革新を削いでいる旨。


≪市場実態PickUp≫

冒頭に述べた加速するグローバル協業の流れについて、具体的な動き、見方が次の通りである。

【グローバル協業】

◇Cisco to cut 6,500 jobs, sell plant (7月18日付け EE Times)
→ネットワーキング装置大手、Cisco Systems社(San Jose, Calif.)が、年当たり約$1Bの運営出費削減計画の一環として、グローバル人員の約6,500 jobsを削減、これはCiscoの正規full-time従業員の約9%に相当、この中には早期退職プログラムに応じる意向の従業員約2,100人が含まれる旨。該レイオフの約15%は、vice presidentsおよび高ランクexecutivesの旨。
また、Foxconn International Holdings Ltd.が、Ciscoのset-top box製造拠点(Juarez, Mexico)買収に合意の旨。

◇Sharp, Foxconn form LCD venture, say reports(7月18日付け EE Times)
→Nikkeiを引用した報道。シャープが、contractメーカー、Hon Hai Precision Industries、別名Foxconnと50/50合弁を計画しており、2011年末までに台湾に設立する運びの旨。

◇シャープ、鴻海と合弁、年内にも、パネル相互供給。 (7月19日付け 日経産業)
→シャープが、電子機器の受託製造で世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業との提携を正式に決め、50%ずつ出資して合弁会社を年内にも台湾に設立、テレビ用の大型液晶パネル部材を共同調達する旨。大型液晶パネルのシェアはシャープと鴻海傘下の台湾・奇美電子を合わせると世界トップの韓国サムスン電子に迫る旨。シャープは値下がりが激しい20〜40型のテレビ用パネル生産を大幅に縮小、外部調達に切り替える方針を表明済みの旨。奇美電子は台湾に工場を持ち円高の影響を受けないため価格競争力を高められるとみている旨。60型以上の超大型パネルはシャープが奇美電子に供給、堺工場(堺市)は世界最大のガラス基板を使うため、このサイズを効率よく作れる強みがある旨。

◇More TV makers are outsourcing to survive (7月21日付け EE Times)
→IHS iSuppli Research発。急落する価格および減少する利益マージンで多くのLCD TVsブランドが工場operationsの外部委託を余儀なくされており、contract manufacturersによるグローバルLCD TVs生産が、2010年から2015年で倍増すると見る旨。

Intel社が引っ張る最先端トランジスタを上記に触れたが、業界全体で見た次世代対応である。

【次世代トランジスタ】

◇The next transistor: planar, fins, and SOI at 22 nm-Process decisions may change not just the future of the transistor, but the future of IC design. (7月19日付け Electronics Design, Strategy, News)
→22-/20-nmロジックプロセスに取り組む開発者が、このノードで新しい種類のTr導入に突き進んでいる様相、以下の概観:
 Intel →tri-gateデバイス、finFETs
 ARM、Globalfoundriesなど主として欧州勢グループ
    →fully-depleted SOI(fdSOI)
 start-up、Suvoltaおよび富士通
    →他の代替

Intel社の牙城を突き崩せるか、MPU市場におけるARMの伸び具合の見方である。

【ARM急伸予測】

◇IHS: ARM ICs to be in 23% of laptops in 2015(7月18日付け EE Times)
→IHS iSuppli(El Segundo, Calif.)が月曜18日に出した予測。2015年に作られるnotebooks PCsの約4台に1台が、ARM-ベースプロセッサを主軸とし、PC MPU市場においてIntel社のx86アーキテクチャーに初めて実際に競合するものとなる旨。
・≪グラフ≫ARMおよびx86のnotebooks PC MPU市場シェア予測
 :2012〜2015年
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/110718_isuppli_arm.jpg

台湾勢が席巻するファウンドリー業界も、安穏としてはいられない空気が強まってきている。

【IDMsのファウンドリー進出】

◇IDMs to hurt pure-play foundries, says report (7月18日付け EE Times)
→Fitch Ratingsレポートを参照したTaipei Times発。IntelおよびSamsungなどintegrated device makers(IDMs)によるファウンドリーサービスおよび積極的な投資の提示は、TSMCおよびUMCのような専業ファウンドリーにインパクトを与え、その高まるリスクは2012年後半に始まるとしている旨。


≪グローバル雑学王−159≫

世界史の幕開けから古代世界へ、「東方遠征の道」「ローマ街道」「ルビコン渡河の道」「大移動の道」を

『世界の「道」から歴史を読む方法』 (藤野  紘 著:河出書房新社)  
 …2011年 3月 5日 初版 発行

より辿って、経緯の理解を深めていく。欧州の国々のそれぞれ歴史に彩られた起源、ルーツについて、認識を更新している。


2章 古代世界を形づくった「道」−−−国家、民族、文化の交差は現代にまで影響を与えた

1.東西の文化を融合させた…
 アレクサンドロス大王の「東方遠征の道」
・マケドニアのアレクサンドロス大王が紀元前4世紀、ギリシアを統合、アケメネス朝ペルシアへ大遠征
□10年にもおよぶ長期遠征
・紀元前336年、わずか20才でマケドニアの王に、哲学者、アリストテレスを師とするなど帝王学教育
・大遠征の道
 →イッソスの戦い
 →エジプトに自身の名を冠した都、アレクサンドリア
 →ペルシア帝国の聖都、ペルセポリスを陥落へ
・10年近くもの長い期間遠征
 →兵士たちの望郷の念も限界に
□遠征の賜物「ヘレニズム文化」とは
・一番の功績 →ギリシアからインドにいたるまでの各地の文化を融合
・寛容な政策 →内乱も発生せずうまく治められるとの考え方
・遠征した先々で70以上の新たな都市を建設
 →ギリシア文化が現地の文化と融合
 →「ヘレニズム文化」
  :ガンダーラの仏教美術 →ギリシア文化の影響、仏像の制作
  :ユークリッドの「幾何学原本」
  :アルキメデスの「浮力の原理」「比重」「てこの原理」
  :アリスタルコスの「地球の自転と公転」

2.すべての道はローマに通ず…
 帝国に繁栄をもたらした「ローマ街道」
・広大な地域を支配するため、属州をつなぐ「ローマ街道」
□贅沢を極めた市民の暮らしぶり
・「五賢帝時代」96〜180年 →帝国の領土は最大に
・現在のウィーンやパリ、ロンドンも、都市の起源はローマ時代
□帝国を網羅したローマ街道の延ばし方
・ローマを中心に、四方八方に延びて全国を網羅する道路網
 →「すべての道はローマに通ず」
・何層にも小石や砂を敷き詰めたローマ街道
 →紀元前3世紀から約500年にもわたって建設継続
 →一部は、現在でも国道として使用
□絹を運んで弱体化した帝国の経済
・「琥珀の道」→ローマからウィーンを通りバルト海へ通じる道
・ローマ市民にこよなく愛されたのが、中国から運ばれる絹
 →6世紀頃までは絹は中国の専売品
 →ローマの富は絹によってまたたく間に使い果たされ、ローマの財力は一気に窮乏

3.これぞ、カエサルとローマの転機…
 賽が投げられた「ルビコン渡河の道」
・「賽は投げられた」−ルビコン川からローマへ渡る「ルビコン渡河の道」
 →カエサルの不動の地位
□ローマの英雄カエサルが生まれるまで
・紀元前88〜82年、一般民衆の支持を得た将軍ガイウス・マリウスと閥族派スラの対立が激化
 →制したのは閥族派のスラ
・マリウスの義理の甥、のちのローマの英雄、カエサル
□カエサルの台頭と三頭政治
・軍人のポンペイウス、富豪のクラッススそしてカエサル
 →元老院に対抗するために三人は手を結ぶ(第一回三頭政治)
  −紀元前60〜53年
・ガリア征服戦争(紀元前58〜51) →カエサルの勇名
 →ポンペイウスとカエサルの関係が危ういものに
 →ルビコン渡河の道
□帝国の命運をも左右した「道」
・ルビコン川の手前
 →ローマへ進軍する場合は、自国の軍であっても境界前で武装を解くことが義務
 →「賽は投げられた」との名言、武装を解くことなく兵士を連れてルビコン川を渡る
・ローマ帝国は、その後も長らく存在へ

4.ヨーロッパの地図を塗り替えた…
 ゲルマン人の「大移動の道」
・395年、テオドシウス一世が、ローマ帝国を東ローマ帝国と西ローマ帝国に分割
□謎の遊牧民フン族の来襲
・遊牧騎馬民族、フン族が375年頃、中央アジアから南ロシアへ侵入
 →中国の秦や漢王朝を脅かした匈奴の一派?
□大移動が中世ヨーロッパの原形をつくった
・フン族の西進
 →西ローマ帝国の領土内に追いやられたのがゲルマン人
 →ゴート族、アングロ・サクソン族、ヴァンダル族などの総称
 →白人種、長身・金髪・碧眼
・395年、コンスタンティノープルを首都とする東ローマ帝国と、ローマを首都とする西ローマ帝国に二分
・ゲルマン人の流入は西ローマ帝国に集中
 →自国の治安さえ他国の傭兵に委ねるほど弱体化
 →西ローマ帝国の領土内に、それぞれの自治を持つ王国が乱立
 →ゲルマン人が建国した諸王国に
  ⇒中世ヨーロッパの時代のはじまり
□なぜフランク王国だけは長命だったのか
・長く続いたのは、イングランドのアングロ・サクソン族の王国と、ガリア地方に建国されたフランク族のフランク王国の2つだけ
 →島国であるイングランド
 →フランク族の移動距離は、ほかの民族に比べて短かった
 →独自性の保持
・フランク王国は現在のフランス共和国の原形

月別アーカイブ

Copyright(C)2001-2020 Semiconductor Portal Inc., All Rights Reserved.