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自然と先端技術の影響/市場実態PickUp/グローバル雑学王−94

1日で20℃近くの気温差、満開の桜の上に覆いかぶさる雪模様、と天候不順が続いているが、もう1つアイスランドの火山爆発がある。いずれも自然の摂理にはひたすら従うしかないが、火山の影響はデバイス業界にもいくつか見られている。一方、自然に相対する最先端技術については、三次元画像の人体への影響が取り沙汰されている。こちらの方は、作り出した人の手でとにかく早急に除去していかなければならない。

≪自然と先端技術の影響≫

まずは自然の影響から、このたびの火山爆発が世界に、そしてデバイス業界に以下の時間軸の流れの波紋である。

〔アイスランド火山爆発の影響〕

◇Europe frets under air-travel ban (4月19日付け EE Times)
→アイスランドの火山噴火に伴う北欧空域閉鎖がビジネスに影響し始めており、International Air Transport Association(IATA)が、欧州各国政府のleadership不足を批判の旨。

◇Report: Airspace closure could hit chip, cellphone firms(4月19日付け EE Times)
→Dow Jones Newswire発。欧州の空域閉鎖がすぐに終わらなければ、アジアの半導体および携帯電話メーカーにインパクトが生じる可能性の旨。

◇Air traffic suspension disrupts Taiwan solar cell supply to Europe(4月20日付け DIGITIMES)
→欧州西部での空路輸送不通の事態により、該地域への台湾のcrystalline silicon太陽電池出荷が混乱しており、欧州の太陽電池市場の70%以上が輸入であることから、solarモジュール生産に大きな打撃の可能性の旨。

◇Bluetooth backers explore 60 GHz future-Study group considered as low-energy spec debuts(4月20日付け EE Times)
→Bluetooth Special Interest Group(SIG)が、short-rangeワイヤレス技術のgigabit-class将来版に向けた運びを支援する調査グループを設立する見込み、今週Seattleでの定例会合で決定を望んだが、アイスランドでの火山噴火により欧州メンバーの大半が来れなかった旨。

三次元packagingのサイトでは、次の呼びかけのブログ記事が見られる。

■ The eruption disruption
→火山爆発の影響について。オンラインでのコミュニケーションを!(4月20日付け 3D InCites|semineedle)

また、テスト&計測のサイトからは、それらしい警鐘の声が聞こえている。

◇To address volcanic ash problem, measure it(4月21日付け Test & Measurement World)
→火山灰については確率論モデルに基づく用心し過ぎの解釈、非常に限られる実験的証拠の旨。

こんどは、最先端技術の人体に与える影響についてである。今を時めく新製品、三次元画像テレビの魅力が日々取り上げられているが、一方ではコンテンツ作成上の規制が云々されている。こちらの方は、早く払拭の手を施さなければならない。

〔三次元画像の影響〕

◇Samsung warns of 3-D TV health hazards (4月19日付け EE Times)
→Samsung Electronics Co. Ltd.が、オーストラリアの同社web siteに3-D TVの健康上の注意を掲載、"Photosensitive Seizure Warning and Other Health Risks"と題し、重大な弊害リストを示して、最悪はてんかん性発作を起こす危険性の旨。

◇Opinion: 3-D TV can't make your kids sick. . . can it?-3-step plan to prevent a potential 3-D disaster(4月20日付け EE Times)
→Insight MediaのPresident、Chris Chinnock氏による3-step plan:
 Step 1: 目の緊張、吐き気など不快感に響くすべての要因を同定する
 Step 2: 安全なパラメータおよび安全な範囲を同定する
 Step 3: コンテンツ作成および後処理のガイドラインおよび最優良事例を書き表す

三次元画像といえば、パソコンのインターネット動画でも3-Dコントロールの画面が見られている。どのような内容、コンテンツにその魅力、良さが発揮されるのか、ここでもこれから思案のしどころ、ということと思う。


≪市場実態PickUp≫

1年ほど前の谷底から、堅調に緩やかに回復してきている、と言われる世界経済であるが、半導体そしてエレクトロニクス各社の業績発表から伺う回復加減は以下の通りである。

【各社業績から】

◇Altera's sales, profit surge (4月20日付け EE Times)
→Altera社(San Jose, Calif.)の第一四半期販売高$402.3M、前四半期比10%増、前年同期比52%増。

◇Chip makers beat analysts' expectations (4月21日付け EE Times)
→Qualcomm社(San Diego)の第一四半期売上げ$2.66B、前四半期比僅かに減、前年同期比8%増。
SanDisk社(Milpitas, Calif.)の第一四半期売上げ$1.1B、前四半期比12%減、前年同期比65%増。
Intersil社(Milpitas)の第一四半期売上げ$189.4M、前四半期比7%増、前年同期比60%増。

◇米アップル、90%増益、「iPhone」販売2.3倍、1-3月期。(4月21日付け 日経Web)
→米アップルが20日発表した1-3月期決算、売上高が前年同期比49%増の$13.499B、純利益が同90%増の$3.074B。「iPhone」の販売台数が2.3倍となったほか、パソコン「マッキントッシュ」も33%増。年末商戦期を含む10-12月期を除けば、収益ともに四半期決算として過去最高を更新の旨。

◇Rambus' sales jump 425 percent (4月22日付け EE Times)
→Samsung Electronics Co. Ltd.との契約が奏功、Rambus社の2010年第一四半期販売高$161.9M、前四半期比425%増、前年同期比492%増。

◇Freescale operating loss shrinks as sales jump(4月22日付け EE Times)
→Freescale Semiconductor社(Austin, Texas)の4月2日締め第一四半期売上げ$1B、前四半期$951M、前年同期$840M。

◇Hynix reports record sales (4月22日付け EE Times)
→Hynix Semiconductor社(Seoul)の第一四半期販売高約$2.54B、前四半期比約1%増、前年同期比115%増。

◇More chip firms top estimates, but ST comes up short(4月22日付け EE Times)
→STMicroelectronics(Geneva)の第一四半期売上げ$2.31B、前年同期比40%増。

◇Q&A: Rick Hill, CEO of Novellus (4月23日付け EE Times)
→fab toolメーカー、Novellus Systems社(San Jose)の2010年第一四半期販売高$276.2M、前四半期比13.1%増、前年同期比179.3%増。「上昇基調は少なくとも3-4年は続く。ICsの根本需要は本物、米国ではなくグローバルに引っ張られる。」(同社chairman, president and chief executive、Rick Hill氏)

最後は、大幅な今年の盛り返しを期待する製造装置業界からの声であるが、その業界の日米のBB比が次の通りとなっている。

【半導体製造装置業界BB比】

◇SEMI book-to-bill down slightly for March (4月20日付け EE Times)
→SEMI(San Jose, Calif.)発。北米半導体装置メーカー、3月の3ヶ月平均ベースBB比1.19、1月および2月ともに1.23から低下の旨。受注は2007年後半の水準に戻ってきている旨。ここ6ヶ月の推移、下記参照。
http://i.cmpnet.com/eetimes/eedesign/2010/SEMI_b2b_march.jpg

◇Japan's fab tool book-to-bill slips (4月20日付け EE Times)
→Semiconductor Equipment Association of Japan(SEAJ)発。日本の半導体装置メーカー、3月BB比1.17、2月の1.34および1月の1.36から低下の旨。
ここ6ヶ月の推移、下記参照。
http://i.cmpnet.com/eetimes/eedesign/2010/100419_seaj_b2b.jpg

半導体装置受注をこの3月対昨年10月の比率で見ると、北米が先行する形に見受けられる。
 北米 → 1.70倍
 日本 → 1.46倍

上海万博を間近に控えて、中国発の情報発信が一層勢いを増してきている。
今回、その中で注目したのが、貿易収支を巡る舞台裏の駆け引きである。米国の毎月の各国ごと貿易収支トレース&アクションは有名であるが、中国の自主的な黒字放棄と受け取れる3月についての以下の論調となっている。

【中国の貿易収支】

◇中国の貿易赤字の裏側(4月22日付け 13億人の経済ニュース[biglobe配信])
→先に公表された中国貿易の統計によると、3月は72億4000ドルの貿易赤字を出し、2004年5月から70カ月続いた貿易黒字に終止符を打った。山場を迎えている中米の為替相場争い。この貿易赤字が一体何を意味するのだろうか?中国の貿易情勢が突如悪化し、中国経済は今後貿易赤字の時代に入るのだろうか?
実際のところ3月の貿易赤字は驚くことではない。商務部の部長は3月にこの状況を明らかにしていた。それに中国の官僚も為替相場争いを和解しようと米国に対し輸入増加を表明し、米国にチャンスを与えた。米国のほうも中国に「為替相場の操縦国」というレッテルを貼るのを先送りした。
税関の統計によると、3月の赤字は輸入の大幅増加によるものだ。3月の輸出入商品主要国(地域)別表を見ると、米国からの輸入は94億6000万ドルと前年3月の62億ドルに比べ53%も増加、2月の64億4000万ドルと1月の77億6000万ドルに比べても明らかに増えている。3月の赤字は中国が自主的に黒字を放棄したのであって、中国の貿易情勢が突如悪化したのではないことは明らかだ。このため貿易赤字が長期的に続くことはない。今後中国が貿易赤字の時代に入るのではないかと心配する必要はない。


≪グローバル雑学王−94≫

北朝鮮の美術関係の歴史、推移そして代表作について、

『北朝鮮を見る、聞く、歩く』(吉田 康彦 著:平凡社新書 500)…2009年12月15日 初版第1刷

より見ていく。唯一の世界資産である古墳壁画、千里馬(チョンリマ)運動(1956年12月に金日成が朝鮮労働党全員会議で提唱した、経済発展を促進し、社会を大躍進させようという運動)のモデルと評価される名画『降仙の夕焼け』に加えて、世界の収集家が注目するという郵便切手に気づかされている。

※北朝鮮の最新動向ニュースとして、以下の2点、日曜25日朝のテレビから:
・デノミの失敗から市場の出店が消えている。
・モンゴルの経済使節団が北朝鮮へ。メンバーに中に朝青龍の顔も。


[第4章 北朝鮮の美術と「世界遺産」
 −−−見直される朝鮮画/高句麗古代壁画/小さな美術館「切手」]

*伝統と社会主義の融合
・北朝鮮美術の特徴 →朝鮮絵画の古典的伝統と社会主義リアリズムの融合
・1966年、金日成が特別談話、風景よりも人物を描くよう、水墨画よりも彩色画を奨励。

*「没骨法」絵画の名作『降仙の夕焼け』
・対象を直接、水墨あるいは彩色で塗って描く「没骨法」
 →代表作として、鄭英萬(チョンヨンマン)の『降仙の夕焼け』(1973年)
・「ウリシク(われわれ式)美術」「主体(チュチェ)美術」さらに「先軍美術」
 →金日成、次いで金正日の庇護の下で完成、数々の傑作

*世界遺産に指定された高句麗の古墳壁画
・朝鮮半島の美術の古典
 −4-7世紀に制作された高句麗の古墳壁画
  →平壌周辺の古墳壁画63基が「世界遺産」に指定、北朝鮮唯一
  ⇒登録されて以来、整然と保護
   …入場料10ユーロ、写真撮影20ユーロ/枚
 −13-14世紀の高麗の仏画
 −15世紀以降の李朝の儒画(儒教の影響を受けた絵画)
・918年、王建が高麗を興す …現在の朝鮮半島を統一。首都は開城。
→"高麗"に由来 …Korea(英語)、la Coree(フランス語)
□開城工団(工業団地)
 …2000年6月の南北首脳会談を受けて、北朝鮮当局と韓国の「現代峨山(ヒヨンデアサン)グループ」との間で進められている工業団地

*郵便切手も小さな美術館
・切手も北朝鮮自慢の文化
 「朝鮮切手展示館」…過去60年間の4550種の切手を陳列
・現在の切手はすべて国内のスイス製精密印刷機で印刷、各地の国際切手コンクールで何度も入賞・優勝
 …歌手テレサ・テンの記念切手も

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