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こども神輿バンザイ

秋祭りの季節、トトン・トントンと太鼓の音が聞こえてきます。地元の古い由緒ある神社から朝10時に町内会が主催するこども神輿(みこし)が出発し、お神輿を担ぐ子供、太鼓を叩く子供、屋台を引く子供達でお神輿の周りは大騒ぎです。

太鼓を叩くのも、揃いのハッピでお神輿を担ぐのも子供達にとっては晴れがましい大舞台。昼になると近くの公園で親御さんや町内会の方々も混じって所狭しとお弁当の時間になり、ツクツクボウシの声も聞こえないほどのこれまた大賑わい。一方で、食事もそこそこに太鼓の周りには何人かの子供達が集まって我も我もと太鼓を叩いています。


こども神輿


子供達が主役でワッショイ、ワッショイと掛け声をかけながら町内を練り歩きます。お神輿が巡回する途中のお店や民家からは飲み物や食べ物が差し入れされています。子供達の楽しい記憶の一ページに刻まれることは間違いないでしょう。このような風習は引き継いで長く残しておいてほしいものだと思います。

今回、お神輿を採り上げたのは体を動かすことの重要性をお話したかったからです。この子供達は、学校の机に座って教科書の中で見た写真ではなく、先生の話でもなく、自分自身が体を動かし、みんなと一緒になってワッショイ、ワッショイと掛け声をかけながら、この時間を過ごします。足が痛かったり、肩が痛かったり、喉が乾いたりで、楽しいことばかりでなかったかもしれませんが、必ずそれぞれの楽しい思い出として残ることと信じています。皆と一緒になって経験したことの重要性は強調しても、しすぎることはないと思うのです。

体を使って得た体験がいかに重要かという点では、水泳や自転車の例を挙げると理解していただけるでしょう。水泳や自転車は一度できてしまうとその後はいつでもできるから不思議です。私の経験でいえば、子供の頃に櫓の漕ぎ方を教えてもらったことがありました。その後は櫓を漕ぐことなどなかったのですが、あるとき櫓の付いた舟に乗る機会があったので試しに櫓を漕がせてもらうとすぐに漕ぐことができ感激したことがあります。体が覚えたことの凄さを改めて確認した次第です。

なぜ、半導体ビジネスと関係のないこのような話をするのかと疑問に思われるかもしれませんが、どのような仕事であれ、りっぱな肩書きが付いても自分で体を動かさずに仕事をするようになったらお終いだと思うのです。部下の報告を聞いたり、報告書を見たりしても、また本や雑誌を読んだりしてもほとんど自分の身に付かなかったという経験があります。自分の頭と体を使ったことしか自分の身に付かないという当たり前のことが、役職が上がるに連れてわかるようになりました。

こども神輿を見ていてこの子供達の将来が楽しみです。今日の経験がきっといつの日か彼らの役に立つ時がくるでしょう。さらにいえば、こうして子供達を送り出し、またはお神輿に付いて子供達と一緒に町内を廻っておられる親御さんたちはたいへん優れた教育をされているわけです。感謝の気持ちを込めてエールを送ります。

光和技術研究所

代表取締役社長
禿 節史(かむろ せつふみ)

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