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韓国政府は世界最強のニッポン電子材料の重要性を再確認せよ!

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日韓貿易摩擦が続く中で、韓国政府の打ち出した重要材料の国産化推進策については、全くもって困ったものだと言うしかない。毎年2000億円近い開発支援金を拠出し、半導体、液晶、自動車部品などの材料もしくは素材を韓国企業が生産できるようにするというのだ。これを聞いた材料大手の日本企業は呵々(かか)大笑いしてこう言い放った。

「やれるものならやってみろ、と言いたい。基本素材を開発するには数十年の歳月を必要とする。この間、この素材開発は全く利益を生まないわけだから、韓国企業の経営者がこれに耐えられるはずがない。とにかく、すぐ儲からないとダメ、というのが彼らのやり方だ。であるがゆえに、ひたすら日本製品のコピーをして大量生産に持ち込み、市場を支配していく。しかし、材料、素材にはこの方式は全く通用しない」。

今回の日本政府の輸出規制で一番問題となったのが、フォトレジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミドの3つである。とりわけフォトレジストは半導体の三大材料のひとつであり、日本企業が世界シェアの90%以上を押さえているのであるから、韓国政府のあわてぶりはひどいものであった。つまりは、フォトレジストがなければ、半導体メモリでトップをいく韓国勢、すなわちサムスンやSKはものを作れない。まさに制裁に近いものであった。(しかし、後からこのレジストはメモリ向けではなかったことが判明)(編集室注1)。

さてさて、この輸出規制がこれからも続くのであれば、この20年間にわたって構築された日中韓のバリューチェーンは少しく影響を受けることになる。日本から韓国にわたるコア・装置材料は韓国が必要とする分の53%も占有している。韓国はこうした日本勢の装置材料を使っての中間材を作り、中国に輸出する。この韓国からの中間材は中国が必要とする分の79%を占めるのだ。そして中国は最終完成品を作り全世界に出荷し、圧倒的なシェアを築いていく。米中貿易戦争の激化もあって、中国も最近は思うように身動きが取れず、この壮大なバリューチェーンは大きくヒビが入ってくるだろう。

ちなみに日本から輸出する半導体材料で輸出割合の多いものとしては、以下の品目が挙げられる。半導体製造用エポキシ樹脂は87.4%、半導体ウェーハ製造用の石英るつぼは99.2%、半導体製造用の写真プレートとフィルム76.6%、そして基幹材料のシリコンウェーハ=52.8%、前記のフォトレジストが93.2%となっている。

迷走モードを続ける韓国政府はこの間、中国製やロシア製の材料で置き換えられると発表したが、半導体業界の人たちはこれをせせら笑っていた。なぜなら、日本製ほどの高純度で作ることは難しく、もし置き換えられたとしても工場の歩留りは一気に低下するわけだから全く意味がないことになる。

「しかも韓国政府はフォトレジストのほとんどがカスタム品だということがわかっていない。メーカーごと品種ごとにカスタマイズして合わせ込む。このことについては日本企業の右に出るものはいない。しかも、百歩譲って中国製やロシア製を使えたとしても、レジストを装置で試作しまともに流せるようになるには3年も5年もかかるのだ。これからも韓国半導体は日本企業の材料、素材に依存するしかない」(前記の材料大手幹部)。

フォトレジスト最大手JSRの設立は1957年、二番手の東京応化工業の創業は1940年、さらに信越化学の設立は1926年、住友化学は同1925年であり、みな長い歴史を持つ老舗企業なのだ。彼らが、どれだけの苦労と長い年月をかけて最高レベルの製品を作り上げたかについては韓国政府の認識は甘いという以外にないだろう。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

編集室注1)制裁ではEUVフォトレジストを対象としており、EUVレジストが必要とする7nm以下の微細化技術はメモリではなくファウンドリロジックに必要。サムスンはファウンドリに力を入れ始めた矢先にこの通商問題が起きたために慌てたのである。

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