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製造装置初、エッチャーが露光を上回る〜3D-NANDの大投資が変える産業構造

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「半導体製造装置の世界でとんでもないことが起きている。史上初めてのことであるが、何とエッチャーの売り上げが露光装置を上回った。ひとえに、3D-NANDフラッシュメモリの巨大投資が半導体製造の構造論を変えているのだ」。

深いため息をつきながらも、早口でこう喋りまくるのは野村証券のアナリスト/ディレクターの和田木哲哉氏である。日経ヴエリタスのアナリストランキングで堂々1位にランクされた和田木氏は、今や半導体製造装置の分野で間違いなくナンバー1のアナリストといってよいだろう。

これまでの半導体製造においては露光機1台に対し、エッチャーはせいぜい1〜2台あればよかったのだ。ところが最近ではウルトラナノレベルに微細化が進んでいるために、3重露光、4重露光などが加速している。露光機1台に対しエッチャー8台以上という時代がやってきている。

これを反映して半導体製造装置の世界ランキングでも異変が起きている。2016年の半導体製造装置は世界売上高が4兆円強となっており、前年比12%増の活況にある。この恩恵を受けて、エッチャーの世界で断トツのシェアを持つLam Researchは、2016年の半導体製造装置ランキング(VLSI Research調べ)においてApplied Materials、ASMLに次ぐ世界第3位に大躍進した。ちなみに、世界4位は東京エレクトロン、第5位はKLA-Tencor、第6位はSCREEN、第7位はアドバンテスト、9位が日立ハイテクノロジーズとなっている(表1)。


表1 2016年における世界半導体製造装置ランキング 出典:VLSI Research

表1 2016年における世界半導体製造装置ランキング 出典:VLSI Research


「3D-NANDに参入しようというメモリメーカーは数多いが、実は大変難しい技術だ。エッチングの穴掘りだけで1時間はかかる。多重露光を繰り返すために、プロセスコントロールもかなりのスキルが必要になる。中国メーカーの参入がアナウンスされているが、3D-NANDフラッシュメモリ世界でトップを行くサムスン電子、東芝/ウエスタンデジタル連合の技術レベルに追いつくには相当の年月を必要とするだろう」(和田木氏)。

Lam Researchの製造工場はもはや満杯となっており、3D-/NAND向けが急拡大でとても作り切れない。この分が東京エレクトロン、Applied、日立ハイテクに流れてきており、これら各社もフル稼働が続いている。

東京エレクトロンはこうした状況を良く見据えており、2019年度には全社売り上げの36%以上をエッチング関連にするという目標を立てている。エッチング主力のTEL宮城のプロセスチャンバの累計出荷は、2016年6月段階で5000台を達成したが、この工場が動き出してわずか5年弱で達成したことになる。次の目標である1万台の出荷は今後3年間で達成してみせると、同社の幹部は語っており、強気の姿勢である。

「2015年段階でフラッシュメモリの生産ラインは、月1500K程度であった。2020年にはこれが月12500Kに跳ね上がる。48層から64層、さらには96層まで立体化が進んでくる。もしかしたら露光機1台に60台のエッチャーが必要になるかもしれない。そういう流れになれば、エッチャーメーカーにはまさに我が世の春が到来したことになるだろう」(和田木氏)。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

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