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グローバル化先駆者の話を生で聴ける絶好のチャンス

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今、日本市場はどんどん縮小している。18日の日本経済新聞1面トップに2011年10月1日時点での日本の推計人口は1億2779万9000人で前年よりも25万9000人減ったという記事が載った。人口が減るのであるから市場が縮小することも当然である。企業にとって日本市場向けにモノを生産するよりも海外市場へ向けて出ていかなければ成長できないことは当たり前になって来た。ではどうすべきか。

SPIフォーラム「グローバル化の先駆者に学ぶ」

図 5月17日に開催するSPIフォーラム


グローバル化しよう、海外売上を伸ばそう、という言葉はモノ作りの合言葉になってきている。半導体メーカーもセットメーカーも製造業全体も同じ合言葉を使う。しかし、言葉の壁や日本人特有のためらいがあって海外に積極的に出ていく企業や人間はまだ少ない。海外と聞いただけでも尻込みする人もいる。

多少、英語が下手でも外国人と話す、身振り手振りのボディランゲージで話す、という気持ちになることが日本人には必要かもしれない。例えばアジアの人たちと話をしていると、文法が間違っていても気にしない。意味が通じさえすればよい、という態度である。だから米国でも欧州でもすぐに溶け込める。日本と同じ海に囲まれている台湾でさえ、欧米に溶け込んでいる。余談だが、台湾でのビジネスマインドは米国西海岸のそれとそっくりだ。

企業の中にはグローバル化したいのはやまやまだが、どこからどう始めてよいのかわからない、と考えている所もあるようだ。こういった場合、グローバル化を先に進めた企業の事例を聴くのが一番手っ取り早い。グローバル企業の考え方や歩んできた道を、自分の会社にどう採り込んだらいいのかを求めていけばよい。「あの会社ではグローバル化ができただろうが、わが社ではできない」と考えては絶対にいけない。「わが社ではできない」と考えることは、座して死を待つことに等しい。「あの会社ができたことをわが社でできるようにするためにはどうしたらよいか」と考えるべきなのである。ここに知恵、アタマを使う。

その参考として、セミコンポータルでは5月17日にSPIフォーラム「グローバル化の先駆者に学ぶ」を開催する。どうやって海外売上比率を上げてきたか、半導体産業や関連産業の中でグローバル化の先陣を切って来た企業を集めた。先人の講演を聴き、自社のグローバル化に生かしてもらいたいとの思いで企画したセミナーである。

日本経済が絶頂期の80年代後半から90年代はじめにかけて、半導体産業も絶頂期だった。ピーク時には世界のシェアの50%を占めていた。この時代強かった日本の半導体メーカーが出荷していたDRAM製品の売り先はIBMであり、HPであり、DECであり、バロースであり、自社よりも海外企業に売っていた比率の方が圧倒的に大きかった。半導体が好調な時は海外比率が高かったのである。

それがバブルの崩壊と歩調を並べ、半導体産業も弱体化してきた。今は16%しかない(参考資料1)。日本の経済は弱くなっているが、世界全体の経済は決して弱ってはいない。経済と同様、半導体産業は日本では不調だが世界では好調である。好調な世界の企業に共通することは、外国へ積極的に進出していることだ。STマイクロエレクトロニクスは設立した年に、日本にもシンガポールにも米国にも現地法人を設立した。ARMは設立してから何度も日本に足繁く通った。シリコンバレーで生まれたベンチャーも日本やアジア、欧州に積極的に出ている。

一方、国内半導体にもグローバル化の新しい動きが見え始めている。NANDフラッシュの全てを手掛けようとしている東芝は、サンディスクと協調しながら国内工場を運営すると同時に海外にもフラッシュを積極的に売っている。ノキアとの合弁で出発したルネサスモバイルはnVidiaとも積極的にLTE端末の開発に力を入れることを最近発表した。モバイルプロセッサで伸びているnVidiaはRFやベースバンドなど通信チップは昨年買収したIcera社の製品しか持っていない。モバイルデバイスには無線通信技術は欠かせない。ここにルネサスモバイルが入り込むことは、同社がnVidiaおよびタブレットやスマートフォンのメーカーと一緒に成長できる可能性があるということにつながる。

ルネサスの経営を非難するメディアもあるが、それが必ずしも的を射ているとは限らない。ビジネスとしてユーザーに使ってもらえるチップの提供とソリューションビジネスへのルネサスの変貌(参考資料2)は、これまでの日本企業には見られない積極的なグローバル化への布石である。5月17日のSPIフォーラムではルネサスモバイルの川崎郁也社長が直々にお話しする。さらには、グローバル化のネットワークを作るGSAの日本代表であり東芝の役員でもある斎藤昇三執行役専務、グローバル化の先頭を走ってきた東京エレクトロンの東哲郎会長、グローバル展開で成長してきたARMのセールス担当内海弦VP、ユニークな日本法人を運営する日本ナショナルインスツルメンツの池田亮太社長、極めて豪華なメンバーが話をする。

日本の経済の先頭を行くように見える半導体産業は、このSPIフォーラムを契機にグローバル化の成果を上げていく。半導体の歴史を変えるセミナーとなることを期待してプログラムを構成した。セミコンポータルの会員は特別料金で聴けるが、会員以外も積極的に歓迎する。さらに、これからの半導体産業の大きなメガトレンドを知りたいのなら、セミコンポータルの会員になることを推奨する。情報やサービスの質の高さを考えると、とても割安に感じるに違いない。

詳細は以下を参照。
SPIフォーラムの案内は、http://www.semiconportal.com/spiforum/1205/
セミコンポータルへの入会は、sales@semiconportal.com

参考資料
1. 日本製半導体チップのシェアは16%に低下、成長戦略にアタマを切り替えよう (2012/01/31)
2. 使いやすさがマイコン成長への道、ルネサス/シリコンラボがGUI開発環境を充実 (2012/04/04)

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