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最新OSATメーカーのトップ10社ランキング

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半導体後工程とテストを請け負うOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)企業の2021年第2四半期におけるトップ10ランキングを、TrendForceが発表した(参考資料1)。これによるとトップの台湾ASE(日月光集団)は前年同期比35.1%増の18億6300万ドルという高成長を遂げ23.7%の市場シェアを獲得、2位以下を大きく離している。

Table1: Revenue Ranking of the Top 10 OSAT Companies, 2Q21 (Unit:Million USD) / TrendForce

図1 2021年第2四半期におけるOSAT企業のトップ10ランキング 出典: TrendForce


OSAT上位10社の合計成長率は前年同期比26.4%増の78.8億ドルとなった。東京オリンピック/パラリンピックやUEFAサッカー欧州選手権などによる大型テレビ需要をはじめ、テレワークやテレ教育などの需要、半導体供給不足などの要因によって大きく成長したとTrendForceは見ている。

半導体不足に対してはファウンドリだけではなくOSATも設備投資によって生産能力を上げているが、まだ追いつかない状況となっている。新型コロナのデルタ株流行により、東南アジアのOSAT企業の中には感染者が増えたことで工場操業に支障が出る所もあり、順調に立ち上がっている訳ではない。例えば、ASEが成長を伸ばした理由の一つは、台湾のKYECのテスト工場で感染者が出て一時的に稼働を落としたことによって、ASEがその代わりを果たしたという事情もある。

ASEや2位の米Amkorは、5Gスマートフォンやノートパソコン、車載チップ、ネットワークチップ、HPC(High Performance Computing)チップなどの需要が旺盛だった。第4位の台湾SPILが2.3%増の9億3100万ドルしか伸ばせなかったのは、スマホ用ICのパッケージングを華為から請け負っていたため、その打撃だという。

中国のOSATメーカーである、JCETとHua Tianは、中国内の5Gスマホや基地局、民生機器、車載などの需要から生産能力を上げたことで、それぞれ同25%増の11億ドル、同64.7%増の4億6700万ドルと大きく成長した。またTFMEも68.3%増の5億9100万ドルとトップ10社の中で最も高い成長率を示した。TFMEの成長の原動力は、AMDを主要カスタマに持っているためで、AMDの2桁成長とリンクしている。

9位、10位の台湾ChipMOSとChipbondは、ディスプレイドライバICを主要製品とするOSATであり、東京オリンピック/パラリンピックやサッカー欧州選手権のようなスポーツイベントが後押しした。特にパッケージ材料不足によってChipMOSはメモリ向けのパッケージングサービスの価格を上げたことも売り上げ増に貢献した。

OSATビジネスにとっての不安材料はデルタ株の感染状況であり、それによって今後の生産稼働への影響が懸念される。

参考資料
1. "Revenue of Top 10 OSAT Companies for 2Q21 Reaches US$7.88 Billion Due to Strong Demand and Increased Package/Test Prices, Says TrendForce", TrendForce (2021/09/06)
2. 「21年第1四半期におけるOSATトップテンランキング」、セミコンポータル (2021/05/20)

(2021/09/07)

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