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2021年2月の世界半導体販売額は2月としては過去最高の396億ドル

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2021年2月の世界半導体販売額が2月としては過去最高の396億ドルに達した、と米SIA(半導体工業会)が発表した(図1)。この数字はWSTSの3カ月の移動平均値を元に算出したもの。1年前の2020年2月と比べると14.7%増となり、これまで2月の数字で最も高かったメモリバブルの2018年2月と比べても7.6%増となっている。

Worldwide Semiconductor Revenues Year-to-Year Percent Change

図1 世界半導体販売額の推移 出典:SIA、WSTS


SIAは常に3カ月の移動平均値で表しているが、それでも2月としては過去最高の数字である。ただし1月の移動平均値400億ドルと比べると1%減であるが、ほぼ横ばいといえそうだ。

半導体の売上額は季節変動が大きく、毎年10月、11月、12月の第4四半期が最も高いピークを迎え、翌年の1月あるいは第1四半期は前月比あるいは前期比で必ず15〜20%くらい下がっていた。例年は、第2、第3四半期へと盛り返していくのであるが、今年はテキサス州での大寒波による停電で半導体工場が停止し、台湾のTSMCは水不足で純水製造に悩まされていた。追い打ちをかけるようにルネサスエレクトロニクスは火災事故を起こしたかと思うと、TSMCでも火災事故を起こした。

しかし、旺盛な半導体需要に応えられないこの状況は、価格の上昇をもたらしており、TSMCだけの価格値上げ交渉ではなく、他の半導体メーカーも100%近い稼働率の元で単価の値上げもやむを得ない状況になりつつある。このことは世界的に半導体ウェーハの生産能力が不足しているという意味であり、当分、需要が満たされることはなさそうだ。となれば価格の上昇はやむを得ないが、車載用半導体も例外ではなくなる。

参考資料
1. Global Semiconductor Sales Up 14.7% Year-to-Year in February (2021/04/05)

(2021/04/07)

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