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来年の半導体設備投資はメモリバブルがはじけて一段落

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NANDフラッシュメモリやDRAMなどメモリの歩留まりが上がり、生産可能な製造装置が揃ってきたため、製造装置産業は踊り場に来ている。今年も第3四半期までメモリバブルが続き、2018年は前年比9.7%増の621億ドルに達したが、19年は4%減の596億ドルになる、とSEMIは予測した。

図1 世界半導体製造装置市場 出典:SEMI

図1 世界半導体製造装置市場 出典:SEMI


来年はマイナス成長としたのは、韓国の設備投資が23%減と大きく後退することを見込んだためだ。メモリバブルの反動が来年間違いなく目立つようになる。2019年の装置市場から韓国を除くと、19年は一転して3.1%成長となる。このことは、メモリに投資してきた韓国が来年、メモリ投資を抑えることを意味する。2017年は3D-NANDへの投資が活発に行われていたが、18年はやや落とし、19年は大きく落とすことになる。

実際、韓国Samsungの投資額をIC Insightsが見積もっており、2017年は前年比で2倍以上の242億ドルを投資したが、18年は226億ドルに減る見通しだ(図2)。19年はさらに20%減の180億ドルに落ち込むという。SK Hynixは、2018年にSamsungとは逆に、58%増の155億ドルにしたものの、19年は22%減の100億ドルに下がると見ている。


Samsung's Annual Semiconductor Capex Trend

図2 Samsungの設備投資の推移 出典: IC Insights


SEMIの見通しによると、半導体製造装置の内のウェーハプロセス(前工程)装置市場は、18年に10.2%増の502億ドルとなる。ウェーハプロセスでの製造装置以外の、純水装置や搬送設備などの設備装置や、結晶ウェーハ製造装置、マスク/レチクル製造装置などのユーティリティ装置は、0.9%増の25億ドル、組み立ておよびパッケージング装置市場は1.9%増の40億ドル、テスト装置市場が15.6%増の54億ドルとなる見込みだ。

19年は韓国が大きくマイナスになるものの、それでも132億ドルでトップを維持すると見ている。2020年には19年に抑えた設備投資を再開し、20.7%増の719億ドルに達すると予測する。ただし、メモリバブルのような人為的なメモリ単価の高止まりがない限り、IoTやディープラーニング(AI)のようなメモリ、特にDRAM応用は、市場は次第に膨らんでいく。

参考資料
1. 半導体製造装置、今年も2桁成長、とSEMI予測 (2018/07/10)

(2018/12/13)

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