セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

IHSは第2四半期の世界半導体ランキング

|

英国系市場調査会社のIHS Markitも、IC Insightsに続き、世界半導体のトップ10社ランキングを発表した。このランキングではファウンドリを含めていないため、半導体ICの市場規模を表している(参考資料1)。ここでは、1位Samsung、2位Intel、3位SK Hynixとなっており、4位にメモリメーカーのMicronが入った。

表1 2018年第2四半期の世界半導体ランキング 出典:IHS Markit

Top 10 semiconductor supplier growth rates by revenue


世界半導体全体では、前年同期比4.4%の1208億ドルになったものの、メモリはDRAMとNANDフラッシュを合わせると、420億ドルになり、半導体産業全体の1/3を占めるようになった。メモリの売上額は、9四半期連続前期比で成長を続けている。IHSは、DRAMよりはNANDフラッシュの単価値下がりによりビット需要が拡大し、企業向けとストレージ容量の増大によって売り上げが増えたとみている。さらに値下がりが続くと今度はSSDの需要が高まり、売上額はさらに上がるとみている。

この第2四半期に対前年同期比で最も成長率が高かったのは、やはりメモリメーカーのSK Hynixの16.4%増で、最も低かったのは、マイナス成長となったBroadcomの-5.9%だった。前年同期比では、昨年からのメモリバブルの影響を引きづっているため、メモリメーカーの成長率が高く続いている。前年同期比ではSamsungが33.7%増、SK Hynixが61.3%増、Micronが39%増、東芝が38%増、となっており、メモリメーカー以外では、AIエンジンにGPUを使っているNvidiaが43.7%増を示した。

ただ、対前四半期比でみる限り、メモリメーカーの急増は失速しつつある。Hynixこそ16%増を記録したが、それ以外のメモリメーカーはSamsung3.4%増、Micron3.4%増、東芝0.5%増となっており、メモリバブルは間もなく終焉し、これからはもっと健全な安定成長期に入るであろう。メモリは安くなると必ずビット需要を増やし、システムの高速化を図るからだ。

メモリメーカーに代わって前四半期比で4%以上成長したのは、Intelの6.3%増、Texas Instrumentsの5.6%増、Nvidiaの6.2%増となっており、成長のドライバがプロセッサとアナログになる可能性が出てきた。着実な成長となる。16%増を記録したHynixだけがDRAMを積極的に増産し始めたことも着実な成長を支えるであろう。


参考資料
1. 2018年上半期世界半導体トップ15社ランキング (2018/08/21)

(2018/08/21)

月別アーカイブ