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今年の半導体IC市場は2ケタ成長に、IC Insightsが上方修正

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2017年の半導体IC市場は2年ぶりに2ケタ成長に行きそうだ、と米市場調査会社のIC Insightsが上方修正した。当初は前年比で5%成長と見積もっていたが、このほど11%成長になるとみている(図1)。特にDRAMとNANDフラッシュが好調なのが高成長の要因。

図1 半導体ICの成長率とDRAMを除くICの成長率 出典:IC Insights

図1 半導体ICの成長率とDRAMを除くICの成長率 出典:IC Insights


今年のDRAMは同39%増、NANDフラッシュは37%増となる見込みで、この二つのメモリが半導体市場全体をけん引する。これは平均単価(ASP)が上がることが主因。DRAMのASPは前年比37%と大きく値上がりし、NANDフラッシュのASPも同22%上がるとみている。非常に大きな値上がりであるが、2016年にはDRAMのASPは前年比12%も下落しており、フラッシュのASPも同1%下落していた。今年は供給を抑えた反動のため、大きく伸びると見られている。

メモリ市場を見るには、ASPだけではなく、ビット需要も必要である。DRAM全体のビット需要は2017年には30%伸びるが、ビット生産能力は20%しか伸びないとみており、DRAMのASPが崩れることはないだろうとしている。技術的にもDRAMも20nmを切る微細プロセスに移行が進むため、移行期ゆえのDRAM生産量はそれほど増えないだろう。

DRAMの好調さは、2017年の半導体IC市場の中では最も大きく573億ドルと、パソコンとサーバー向けのMPU市場の471億ドルよりも102億ドルも大きくなる見込みだ。図1の各年の左側の棒グラフがIC市場の成長率で、右側の棒グラフはDRAMを除くICの成長率を表している。2015年はDRAMが20%以上も下落したため半導体全体は2%減だったが、DRAM以外のICは2%増であった。

このグラフは、左側の方が右側よりも大きいグラフはDRAMがけん引した年、小さい年はDRAMが足を引っ張った年になる。DRAM以外の半導体ICは2016年が6%成長だが、2017年は7%成長となり、いずれも成長率の高い産業だといえる。

(2017/03/30)

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