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DRAMの単価はNANDフラッシュにつられ、底を打ったか

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台湾の市場調査会社TrendForceのメモリ部門DRAMeXchangeは、2014年10月から続いてきたDRAM価格の下落は6月に入って止まり、底に来たようだと伝えた。第3四半期には上昇に転じると見ている。

図1 DRAMの単価は底を打ったか 出典:TrendForceのDRAMeXchange

図1 DRAMの単価は底を打ったか 出典:TrendForceのDRAMeXchange


メーカーはPC用のDRAMの出荷を減らしてきた。加えて、6月のSamsungの西安工場の停電によりNANDフラッシュとDRAMの供給が止まり、共に価格上昇につながった。4GビットのDDR3品の単価は、例えば7月1日に9%上がり1.65ドルになった。 DRAMの価格はNANDフラッシュにつられたという面もあるとDRAMeXchangeは見ている。

第3四半期のDRAM価格上昇をけん引するのは、モバイルとサーバーの応用だと見ており、PC需要は相変わらず下降気味に推移している。スマホ1台当たりのDRAM容量が2015年と比べ2016年は36%増えると見ており、今年の後半に登場する最新スマホに搭載されるDRAMは1台に最大6Gバイトになるという。サーバー1台当たりのDRAM容量も今年25%増えて平均110Gバイトとなるとしている。DRAMは世代ごとに価格は上がるため、容量増加の傾向は価格上昇を助ける方向にある。

NANDフラッシュはSSDの需要が極めて強く、eMCPやeMMCをピークシーズンに備えて補充しておく動きもあり、NANDフラッシュの価格上昇に拍車をかけている。

DRAMの台風の目はMicronだろう。同社の2016年度3月〜5月の第3四半期は赤字に陥り、2400名のリストラを計画している。一方で、台湾のInoteraの買収に向けて動き出しており、生産基地としての台湾に期待している。というのはMicronのDRAMの60%が台湾製であり、旧RexChip工場は最先端の16nmに向けて新製品を開発中である。Inoteraは2016年後半に20nmへ完全移行する計画であり、モバイルDRAMを主要製品とする方向に向かっている。

元々Micronはかつて、Mostek、Texas Instruments、Qimonda、最近ではElpida Memoryを買収してきたという歴史がある。一方で、中国の紫光集団に買われるという動きもあったが、米国政府に阻止された。Inotera 買収はまだ予断を許さない。

(2016/07/07)

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