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2015年のアナログICランキング、やはりTIがダントツ

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米市場調査会社のIC Insights社は、2015年世界アナログICのトップテンランキングを発表した。それによると、1位のTI(Texas Instruments)は変わらず大きなシェアを持ち、2位はInfineon、3位Skyworks、4位Analog Devicesが続いている。

表1 アナログ半導体トップランキング 出典:IC Insights

表1 アナログ半導体トップランキング 出典:IC Insights


アナログ半導体全体では、2%増の470億ドルとなっている。2015年の世界半導体市場は、WSTSによると、ほぼ横ばいの0.2%減の3352億ドルであったから、アナログICは成長した分野だといえる。アナログICを汎用とアプリケーション専用で分けると、汎用(アンプ/コンパレータ、インターフェース、パワーマネジメント、シグナルコンバータ)は、2%増の191億ドルとなった。アプリケーション専用もやはり2%増と同じだが、279億ドルと大きい。この中で特に大きく成長したのは、シグナルコンバータICで、14%増の29億ドルとなった。

上位10社の合計金額はアナログIC市場全体の56%を占めており、2014年の57%から低下、つまりわずかながら寡占化が崩れている。

トップのTIは、2009年にアナログICの生産量を倍増させるために、テキサス州にあった300mm工場を強化し、倒産したQimondaから300mm装置を購入、Spansionの会津若松工場と中国のCension Semiconductor Manufacturing工場から200mmの装置を購入した。さらに、2011年にはNational Semiconductorを傘下に収めた。TIは300mmへの強化によって製造コストを40%下げたとしている。

2位のInfineonは、International Rectifierを買収した効果が表れた。前年3位から2015年は2位に浮上した。パワーアンプに強いIRの効果であろう。3位のSkyworksはスマートフォン用の送信パワーアンプがAppleのiPhone 6SやSamsungのGalaxyシリーズに使われ、5%増という伸びを示した。パワーアンプだけではなく、モバイル通信用のアナログICの高集積化によるチップやモジュールでも成長させてきている。モバイル端末に加えて、これからのIoT(Internet of Things)やウェアラブル、自動車などにもこれから力を入れていくとしている。特にワイヤレス通信技術は、現在の通信バンドスペクトルの有効活用やSDN(ソフトウエア無線)に向けた広帯域アンプやフィルタリング、キャリアアグリゲーションなどに加え、5Gに向けたミリ波やマッシブMIMO、ビームフォーミング、ビームトラッキングなど様々な通信技術が必要になり、それに向けたアナログICが求められるようになる。

Analog Devicesは、アナログICの平均の伸びと同じ2%増を示した。成長した主要製品の一つが3Dのフォース・タッチ用のICで、AppleのiPhoneや最新のiPad、Apple Watchなどに使われている。

IC Insightsは、2016年のアナログIC市場は4%成長の491億ドルになり、2017年には514億ドルと500億ドルを突破すると予測している。

(2016/06/01)

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