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微細化進めるファウンドリが強い

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ファウンドリビジネス市場は、2015年に6.1%成長する、と米市場調査会社のIC Insightsが発表した。今年のIC半導体市場はメモリ(DRAM)の在庫が増え、その価格が値下がりしたことで成長にややブレーキがかかっている。その中でファウンドリの成長は高い。

図1 40nm以下の微細化市場の伸びが大きい 出典:IC Insights

図1 40nm以下の微細化市場の伸びが大きい 出典:IC Insights


その内訳を見ると、40nm未満の微細化製品の受託生産は、前年比24%増の161億ドルに成長すると見ており、反面40nm以上の製品は2%減の288億ドルに減少するからだとしている(図1)。

純粋ファウンドリ大手4社のデザインルール別、製品構成比率を見ると、TSMCとGlobalFoundriesは45nm以下プロセスの製品比率がそれぞれ63%、64%と半分以上であるのに対して、UMCとSMICの微細化比率は低い。それぞれ33%、17%に留まる(表1)。


表1 純粋ファウンドリ大手4社における45nm以下プロセスの比率 出典:IC Insights

表1 純粋ファウンドリ大手4社における45nm以下プロセスの比率 出典:IC Insights


中でもTSMCは、2015年の20nm以下のプロセス売り上げは57億ドルだと見ている。20nmが51億ドル、16nmが6億ドルという。2014年でも同社の20nm以下のプロセス製品は21億ドルだったから実に2.7倍の伸びになると見ている。2015年の第3四半期に16nmデバイスの量産が始まるとしている。「16nmプロセスの量産立ち上げは早く、20nmの時よりも早まっている」という。

TSMCの16nm製品の伸びは、iPhone 6sに搭載されたアプリケーションプロセッサA9の生産が始まったことと関係する。A9はSamsungとTSMCの両社に製造を委託しているが、ティアダウン情報の中には、14nmのSamsungよりも16nmのTSMCのプロセスで製造した方が電池は長持ちする(消費電力が少ない)という評価もある(参考資料1)。ただし、ジョブによってベンチマーク評価の消費電力は変わるため、絶対的な尺度はない。

GlobalFoundriesの45nm以下のプロセス比率が2015年の第2四半期の68%から63%へと5ポイントも下げたのは、もっと緩いデザインルールの製品の量産が始まったためであり、これが買収したIBMのRF関係のデバイスだろうとIC Insightsは見ている。これに対して、UMCは今年全体で同33%の14億8200万ドル、SMICは同17%と低い。

参考資料
1. iPhone 6sなどのCPUがサムスン製だとTSMC製よりバッテリーが持たない、確認する方法はコレ (2015/10/09)

(2015/10/14)

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