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やはりスマホは半導体をけん引

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スマートフォンの出荷台数が依然として増え続けている。四半期ベースでは毎年第4四半期のクリスマスシーズンがたくさん売れているが、その「特異点」を除けば、やはり伸び続けている。今年の第4四半期には、これまで第4四半期最高の3億7400万台を超え、4億3500万台に成長するとIC Insightsは予測する。年間ではほぼ15億台になる。

図1 スマートフォンの出荷台数と市場シェア 出典:IC Insights

図1 スマートフォンの出荷台数と市場シェア 出典:IC Insights


IC Insightsがこのほど発行した「IC Market Drivers Report」によると、スマホの普及率は2013年に初めて半分を超えて54%だったが、2018年には全携帯電話出荷台数の93%を占めるだろうと予想されている。一方、スマホ以外の携帯電話(日本ではガラケー)は、2013年に18%減、2014年は23%減、2015年は27%減とますます縮んでいく。

スマホ市場では、これまで支配していたSamsungとAppleの地位は相対的に下がってきている。両社を合わせたスマホの出荷台数は2013年に4億5700万台で全体の47%を占めていたが、2014年は40%シェアの5億台に低下した。代わって成長著しいのは中国企業であり、小米、Coolpad、TCL、Lenovoなどが勢いを増してきている。スマホの出荷台数上位10社の内、中国企業6社の合計は、2013年に2億100万台で21%シェアだったが、2014年には79%伸び、3億5900万台に増加した。これによって市場シェアは29%に高まった。

中国製スマホは、Appleやソニー、HTCとは違い、代表的に200ドル以下の安価なローエンド製品が多い。中には50ドル以下の製品もあるようだ。

ところが、中国の消費者の生活レベルが上がるにつれ、中国製スマホは中国人には受け入れられなくなりつつある。2015年第1四半期には中国製スマホが落ちてきたというレポートを見かけるようになってきた。第1四半期における中国企業上位6社の出荷台数は合計8430万台となった。これは市場シェア25%に相当する。つまり中国製スマホのシェアは初めて下落傾向に変わったのである。

IDCの調査(参考資料1)によれば、2015年第1四半期における上位スマホ企業は、1位Appleでシェアは14.7%、2位小米が13.7%、3位華為11.4%、4位Samsung9.7%、5位Lenovo8.3%となっている。前年同期では、1位Samsung19.9%、2位Lenovo10.2%、3位小米9.2%、4位Apple8.7%、5位華為7.8%だった。Appleが市場シェアを8.7%から14.7%に広げた格好になった。

実際、中国人のブランド好きは有名である。AppleのiPhone 6が日米で発表された直後、中国人のiPhone 6に対する欲求は強かった。筆者が日本で手に入れたiPhone 6を米国のメディアイベントで見ていたら、中国からきていた記者は、iPhone 6を欲しがり、どこで買えるのかを必死の形相で聞いてきた。

中国のスマホは、今後はインドや中国の内陸地区に市場を求めるだろう。少なくとも、北京や上海などの沿岸に近い所では中国製よりはAppleに人気が集まるに違いない。これはソニーにとってもチャンスかもしれない。

参考資料
1. China’s Smartphone Market Contracts Year Over Year for the First Time in Six Years, According to IDC (2015/05/10)

(2015/07/07)

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