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日本製製造装置、依然好調

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2015年4月における日本製半導体製造装置は依然として好調だ。3ヵ月の移動平均で表した受注額は前月比5.8%増の1300億2000万円、販売額は1.6%増の1354億9800万円となり、B/Bレシオは0.96となった(図1)。受注に対して販売額がなかなか追いつかない1.00超えが2014年10月から2015年2月まで続いていたが、ようやく追いついた格好だ。

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


これらの数字はSEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表したもの。2カ月連続B/Bレシオが1.00を割ったからと言って、直ちに不況になる訳ではない。受注額は2カ月連続増えており、受注額が1300億円を超えた月はリーマンショック後初めてとなる。販売額も1300億円を超えたのは、昨年4月に消費税が5%から8%に値上げする直前の3月以来の数字となった。これらの数字は全て3ヵ月の移動平均で表しているため、3月の単独の販売額は異常に大きかったことが想像される。3月の異常値が4月、5月の移動平均値でも影響を受けた。2009年以来では、4月の販売額はこの3月の異常値に次ぐ大きさとなっている。つまり、好調が続いていると言える。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


日本製FPD製造装置も同様に好調である(図2)。受注額の急増に対して、販売額はようやく3月、4月と追いかける格好となっているが、まだ追いつくまでには至っていない。受注に対して、販売額はまだ相当なかい離がある。

FPDの市場をけん引するのはやはりスマートフォンのようだ。しかし、従来のアモーファスシリコンTFTパネルは2015年には7%減の16億台に減少すると、市場調査会社のIHSは予測しており(参考資料1)、その代わりに低温ポリシリコンTFTと酸化物半導体(IGZOなど)TFTパネルの合計は2015年に前年比33%増の6億7600万台に成長すると見ている(図3)。またアクティブマトリクス方式のOLED(有機EL)も44%増の2億6000万台に成長するという。この背景には、ハイレゾ化(HDから4Kへ)と低消費電力化が要求されている。


図3 中小FPDの出荷台数と2015年の予測 出典:IHS

図3 中小FPDの出荷台数と2015年の予測 出典:IHS


参考資料
1. Smartphones Spur Shift in Small and Medium Display Panel Demand, HIS Says (2015/05/18)
2. 日本製半導体製造装置は好調を維持 (2015/02/24)

(2015/05/25)

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