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3月の世界半導体販売高が5か月ぶり前月比増、一方、今後に備える動き

米Semiconductor Industry Association(SIA)より月次の世界半導体販売高が発表され、この3月について$26.09 billionで前月比0.3%増、前年同月比5.8%減となっており、第一四半期、すなわち1-3月累計が$78.3 billion、前四半期比5.5%減、前年同期比5.8%減と表わされている。前々週のインテルの人員削減と戦略転換、前週のアップルiPhone初の減少と、市場の大きな節目の動きが続く中、今週もインテルがモバイルSoC事業から撤退していく相次ぐ再構築の動きとなっている。今年後半にはモバイル機器の盛り返しを期待する備えと新市場への重点傾斜が並行していく現況が見えてきている。

≪3月の世界半導体販売高≫

米SIAからの今回の発表が、以下の通りである。

○3月のグローバル半導体販売高が僅かに増加−5か月ぶり前月比増加;第一四半期販売高は約6%減 …5月2日付け SIAプレスリリース

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2016年3月の世界半導体販売高が$26.1 billionに達し、前月の$26.0 billionと比べて0.3%と僅かながら増加したと発表した。2016年第一四半期の販売高は$78.3 billionで、前四半期比5.5%減、前年同期比5.8%減となる。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「3月のグローバル半導体販売高は5ヶ月ぶりに増加したが、需要軟化、市場の循環性およびマクロ経済の状態が、一層の力強い伸びを引き続き妨げている。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「第一四半期の販売高はほとんどすべての地域市場にわたって前四半期に後れをとり、Americasが最も急激な低下を示している。」

地域別には、前月比でJapan(+4.8%), Asia Pacific/All Other(+2.3%), およびEurope(+0.1%)では販売高が増加したが、China(-1.1%)およびAmericas(-2.8%)では減少した。前年同月比では3月の販売高は、Japan(+1.8%)およびChina(+1.3%)では増加したが、Asia Pacific/All Other(-6.4%), Europe(-9.8%), およびAmericas(-15.8%)では減少している。

          【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Mar 2015
Feb 2016
Mar 2016
前年同月比
前月比
========
Americas
5.81
5.03
4.89
-15.8
-2.8
Europe
2.96
2.66
2.67
-9.8
0.1
Japan
2.55
2.47
2.59
1.8
4.8
China
7.83
8.02
7.93
1.3
-1.1
Asia Pacific/All Other
8.57
7.83
8.01
-6.4
2.3
$27.70 B
$26.02 B
$26.09 B
-5.8 %
0.3 %

--------------------------------------
市場地域
10-12月平均
1- 3月平均
change
Americas
5.75
4.89
-15.0
Europe
2.77
2.67
-3.6
Japan
2.57
2.59
0.8
China
8.45
7.93
-6.1
Asia Pacific/All Other
8.08
8.01
-0.8
$27.62 B
$26.09 B
-5.5 %

--------------------------------------

「米国半導体業界の販売高の83%が米国以外の市場に入っており、海外市場アクセスが我々の業界の長期的な力強さに必須である。」とNeuffer氏は言う。「Trans-Pacific Partnership(TPP)は、Asia-Pacific諸国との通商取引に向けて無数の障壁を取り壊す画期的な通商合意である。TPPは、半導体業界、ハイテク分野、アメリカ経済、そしてグローバル経済にとって望ましいものである。議会は承認すべきである。」

※3月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/March%202016%20GSR%20table%20and%20graph%20for%20press%20release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界紙の反応である。

◇Chip Sales Edge Up Slightly-March chip sales rise a little from Feb., SIA says (5月3日付け EE Times)

◇Global semiconductor sales increase slightly in March, says SIA (5月3日付け DIGITIMES)

◇Global semiconductor sales increase slightly in March (5月6日付け ELECTROIQ)

5ヶ月ぶりに前月から僅かに増加した世界半導体販売高ではあるが、第一四半期では前年同期比5.8%減と市場が縮小しており、今後に備える動きが方々急展開されている。まず、大規模な事業再構築計画を発表したばかりのインテルが、モバイルSoC事業の撤退を発表、その具体的な中身、段取りとともに以下の通り表わされている。

◇Intel to Exit Mobile SoC Business (4月29日付け EE Times)
→Intelが、今月発表した大規模な再構築計画を進めるなか、苦境にあるAtom半導体生産ラインを終了させてスマートフォンおよびタブレット用モバイルSoC事業から撤退する旨。中止する製品には、コード名、SoFIA, BroxtonおよびCherry Trailなどがある旨。同社CEO、Brian Krzanich氏が最新blogで述べている通り、同社の重点は今や“Cloud, IoT, メモリ/programmableソリューション, 5GおよびMoore's Law”に正面切って置かれ、モバイルSoCsは外される旨。

◇Intel cuts Atom chips, basically giving up on the smartphone and tablet markets-Intel is refocusing on 'products that deliver higher returns.' (4月29日付け PCWorld)

◇The death of Intel's Atom casts a dark shadow over the rumored Surface Phone-Intel ends production of chips for phones, some tablets (4月30日付け CIO.com)
→Intelが、スマートフォンおよびタブレットに入っていく積極的な取り組みから後退、SoFIAとして知られるスマートフォン用の3つの型のmultifunctionプロセッサの製造中止を金曜29日確認の旨。また、タブレットに向けた低電力Atomプロセッサの"Broxton"ラインの生産も止める旨。この動きは、Surface phoneを開発するというMicrosoftのファンの期待を危うくする可能性の旨。

◇Intel's Atom architecture to live on despite smartphone chip cancellations-The next-generation Atom architecture code-named Goldmont will be in upcoming Pentium and Celeron chips code-named Apollo Lake-Intel: Next-gen Atom architecture will survive in other chips (5月2日付け CIO.com/IDG News Service)
→Intelによると、Atomプロセッサアーキテクチャーの"Goldmont"世代は、次期"Apollo Lake" CeleronおよびPentiumプロセッサに取り入れられる旨。現在のhigh-endスマートフォン向け"Airmont" Atom半導体は段階的に廃止されていく旨。

インテルの新市場対応の1つということか、drone用半導体のプロモーションが行われている。

◇Will Intel's Drone Chips Fly?-Intel may be throwing ill-defined CPU at drones (5月5日付け EE Times/Blog)
→Intelが水曜4日早く、Palm Springs, Calif.の空を飛ぶdronesの壮観プロモーションビデオによるpress release、"FAA(Federal Aviation Administration:アメリカ連邦航空局)からパイロット当たり複数のUAVs(Unmanned aerial vehicle:無人航空機)についてSection 333 Exemptionを受けている唯一の会社"としている旨。

一方、半導体市場を大きく引っ張るモバイル機器については、今年後半の盛り返しを期待して、半導体発注を踏みあげる動きが以下の通り見られている。

◇China smartphone vendors ramping chip orders, sources say (5月3日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Huawei, XiaomiおよびTCLなど中国のスマートフォンベンダーが、2016年第二四半期における半導体発注のペースを踏み上げている旨。
May 1 holiday seasonにより中国のスマートフォンベンダーは在庫を積んでいる一方、新モデルの展開に備えている旨。

◇Apple increases chip orders for iPhone SE in 2Q16 (5月3日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Appleが、2016年第二四半期の同社iPhone低価格版SEに向けた発注を高めており、関連する半導体の第二四半期発注が3.5-4 million個から5 million個以上に改められている旨。Appleの第三四半期のiPhone SE関連半導体発注は第二四半期と同様と見られる一方、iPhone 6sについては売上げ低下から発注ペースを落としている旨。

ワイヤレス関係半導体について、昨年の市場データから今年が改めて展望されている。伸びの鈍化は致し方ないが、現下の市場では重みが増すところがある。

◇Maturing smartphone market signals falling growth for wireless semiconductors (5月4日付け ELECTROIQ)
→IHS社発。スマートフォンなどワイヤレス機器の売上げ鈍化から、ワイヤレスの競合の景観が一揃いの課題に直面、2016年の伸びの鈍化を生じる可能性の旨。

◇Maturing smartphone market signals falling growth for wireless semiconductors, IHS says (5月5日付け DIGITIMES)
→ワイヤレス競合関連の売上げが、2015年の半導体売上げ全体が2%減の$347 billionとなる一方で、約4%増の$56 billion超となって引き続き輝点として働いている旨。


≪市場実態PickUp≫

【伸びる半導体市場分野】

半導体市場分野の中で今後の伸びが期待される2つについて。まずは、パワーマネジメントICが年間$40 billionの規模がここ数年で見込まれるという見方である。

◇$40B Power Management Market Ripe for Innovation-Chipmakers chase PMIC market on pace to grow to $40B a year (5月3日付け EE Times/Blog)
→1)power management ICs(PMICs)は2019年までに約$40 billionに達する着実な上昇の道筋にあるが、効率改善および統合に向けた需要が革新的なアプローチを擁する“boutique” startupsに機会を作り出している旨。
 2)IHS Researchの予測。power management integrated circuit(PMIC)市場は、今年の約$35 billionから2019年までに約$40 billionに伸びる見込み、該市場は、Texas Instruments, STMicroelectronicsおよびInfineon Technologiesが席巻、他の多くの半導体ベンダーは、Richtek Technologyのcontrolling stake買収を狙うMediaTekなど該PMIC pieの自分たちのpieceを得ようとしている旨。

長らくのカメラ応用から車載はじめ用途が拡がってきているCMOSイメージセンサについては、さらに今後5年力強い伸びが続いていく、とIC Insightsの分析である。

◇CMOS image sensors expected to set record-high sales for another 5 years, says IC Insights (5月5日付け DIGITIMES)
→IC Insights発。CMOSイメージセンサが、スマートフォンおよびstand-aloneカメラ以外の広範囲の末端用途応用にembedded digital-imaging技術が急速に拡がって、先例のない最高年間販売高が続いていく最中にある旨。車載システムが、CMOSイメージセンサの最も急成長の応用になる見込み、世界販売高が向こう5年55%のcompound annual growth rate(CAGR)で伸びて、2020年には$2.2 billionと見込まれる市場全体、$15.2 billionの約14%を占めると見る旨。

◇Strong Growth Seen For CMOS Image Sensor Market (5月6日付け EE Times)

【国際デバイス&システムロードマップ】

米国SIAからの半導体ロードマップが国際化されて国際半導体技術ロードマップ(ITRS)になっていく過程で、小生が業界活動に関わったのが1990年代後半のことである。時間が過ぎ、時代が移って、このほど以下の通り、International Roadmap for Devices and Systems(IRDS)としてIEEEのもと新たにスタートするとのことである。市場分野のシステム別に異なる指標が求められるという背景での今後の展開に注目である。

◇Chip Roadmap Reboots Under New Management-IEEE expands ITRS to include systems-IEEE takes over, renames ITRS plan for chips and systems (5月4日付け EE Times)
→IEEEが、半導体の業界ロードマップを定める伝統的なプロセスを引き受けて、computingすべてを含めて拡大する旨。1965年に最初に発行されたInternational Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)が、International Roadmap for Devices and Systems(IRDS)として5月12日に新たにスタート、Belgiumで最初のメンバー会合が行われる旨。この新たな活動は、computingのニーズ全般を広範に捉えることを目指し、computerシステム、アーキテクチャー、ソフトウェア、並びにそれらに用いられる半導体はじめコンポーネントなどのロードマップissuesに対応する旨。

◇IEEE introduces new international roadmap for devices and systems to set the course for end-to-end computing (5月4日付け ELECTROIQ)
→International Roadmap for Devices and Systems(IRDS)は、IEEE Rebooting Computing(IEEE RC) InitiativeおよびInternational Technology Roadmap for Semiconductors 2.0(ITRS 2.0)の間の連携で始まった取り組みの次の段階となる旨。

◇Rethinking Processor Architectures-General-purpose metrics no longer apply as semiconductor industry makes a fundamental shift toward application-specific solutions.-IEEE's roadmap will define architectures for specific applications (5月5日付け Semiconductor Engineering)
→IEEEにより展開されているInternational Roadmap for Devices and Systems(IRDS)が、その前にあったInternational Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)で見られた包括的なシリコンbenchmarkingではなく、特定市場に向けた指標を取り扱う旨。「さまざまな応用領域を定義づけようとしており、それら領域ではアーキテクチャーおよびデバイスについて非常に異なる選択基準がある」(Georgia Institute of Technology教授、Tom Conte氏)旨。

【EMC World conference】

ストレージのEMCがパソコンのDellに買収されてEMC Dellになっていくとのこと。ここでも業界の変遷、変貌を感じるところであるが、そのEMCが、EMC World conference(Las Vegas)にて"All-Flashの年"を宣言、いくつかの製品発表を行っている。

◇Dell Technologies Outlines Storage Priorities-EMC lays out data-storage strategy ahead of acquisition (5月3日付け Forbes)
→Dellが買収、まもなくEMC Dellとして知られるようになるEMCが、annual EMC World conference(Las Vegas)にていくつかの発表、2016年をデータストレージにおける"Year of All-Flash"と宣言して、フラッシュ-ベースストレージarraysのEMC Unityラインに新モデルを投入の旨。

◇The Year Of All Flash-EMC rolls out flash-based data storage at conference (5月4日付け Forbes)
→EMC World conference(Las Vegas)にて、いくつかの製品投入など発表が行われ、rack-scaleフラッシュの領域では、Oracleソフトウェアで用いる1つのrackのdual DSSD D5システムを、DSSDを伴うVCE VxRack Systemとともにお披露目、今年後半の出荷の旨。
(注) DSSD D5は、データ解析などの超高速なストレージI/O性能が必要な用途に向けた製品。最大1000万の高IOPS、100μ秒の低レイテンシ、100GB/sの高スループット。米EMCが2014年に買収したDSSD社の技術が元になっており、EMCとしては新カテゴリーの製品となる。

【Infineonの業況】

ドイツ・Infineonの直近四半期の業績に注目したが、前四半期比4%増、前年同期比9%増となっている。従来産業用が引っ張るイメージがあったが、車載関係の売上げが全体の42%ということでその急伸ぶりを感じている。

◇Infineon says sales could grow by 12% this year-Infineon predicts 12% revenue growth for 2016 (5月3日付け New Electronics)
→Infineonの直近四半期の売上げは4%増の1.6billionユーロ、特に車載分野が好調で引っ張った旨。Industrial Power Control、Chip CardおよびSecurity分野も売上げを伸ばしたが、Power ManagementおよびMultimarket事業の売上げは減った旨。

◇Electromobility Drives Infineon's Sales-Germany not so much (5月5日付け EE Times)
→Infineonの直近四半期の売上げは1.6billionユーロ(約$1,85 billion)、前四半期比4%増、前年同期比9%増。車載事業が最も伸びており、670 millionユーロの売上げ、全体の42%を占めている旨。

【ImecのMoore氏表彰】

ベルギーのnanoelectronics研究機関、Imecが、Moore's lawそしてインテルのGordon E. Moore氏に“Lifetime of Innovation Award”を授与すると発表している。今月下旬開催のImec技術フォーラム(Brussels)でのプレゼンとなっている。

◇Imec honors Dr. Gordon Moore with “Lifetime of Innovation Award” (5月3日付け ELECTROIQ)
→nanoelectronicsリサーチセンター、imecが、Moore's law理論の創始者でIntelのco-founder、Dr. Gordon E. Moore氏にlifetime of innovation awardを授与する旨。

◇Imec honours Gordon Moore-Imec has announced that Gordon Moore is the recipient of its lifetime of innovation award which will be presented to on May 24th at Imec's annual ITF Brussels, the flagship of Imec's worldwide ITF events.-Gordon Moore to receive lifetime innovation award from imec (5月4日付け Electronics Weekly (U.K.))


≪グローバル雑学王−409≫

具体的なM&A(企業の合併買収)の実行プロセスを見ていく後半は、

『M&Aの「新」潮流』
 (山本 貴之 著:エネルギーフォーラム新書 036) …2016年1月15日 第一刷発行

よりデューディリジェンス、企業価値評価、買収契約とクロージング、そしてPMI(ポスト・マージャ―・インテグレーション/経営統合)と、M&Aの中核となる作業から締めに至るまでである。事業価値の評価を如何に行うか、この最もM&Aの本質的な内容、やり方については次回以降さらに詳細に展開されていく。


第3章 M&Aの実行プロセス =後半=

【デューディリジェンス】

■デューディリジェンス(以下 DD)の目的・対象企業の事業価値の適正な評価を行うこと

■DDの類型
・多岐にわたるDDの類型(範囲)
 →対象企業(事業)の、財務、税務、法務、ビジネス、環境、エンジニアリングリポート
・各DDの専門家は、DDリポートを顧客(通常買収サイド)に提出
・DDリポートによる当該検出結果を前提に、最終契約書へ向けた、交渉を開始
 →例えば、新たな簿外負債の判明による買収価格のディスカウント交渉等

■DDに関与する専門家
・以下などが該当
 →弁護士(法務DD)、会計士(財務DD)、税理士(税務DD)、土壌汚染調査会社
  :建物調査会社(エンジニアリングリポート)、コンサルティング会社(各種ビジネスDD)

■DD実施における留意事項
・典型的な一例
 →1)財務DD …財務書類の虚偽記載有無、対象資産の譲渡価格の妥当性、・・
  2)法務DD …締結済み主要契約の適法性、許認可取得の適法性、・・
  3)ビジネスDD …知的財産権の評価、人的資産の評価、・・

【企業価値評価】

■企業価値評価の類型
・アプローチ方法での分類
 →1)マーケットアプローチ 「類似会社比較方式」「市場株価方式」「類似取引事例方式」
  2)インカムアプローチ(会社の本源的な価値の算定方法) 「DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式」「配当還元方式」
  3)その他のアプローチ 「純資産方式」
   →一般的には、「DCF方式」および「類似会社比較方式」

【買収契約とクロージング】

・DD実施後、M&Aの本契約に記載する事項
 →当然法的拘束力を有する契約
・クロージング実施
  →売り手と買い手が最終契約締結後、実際に契約の履行を行うこと

【PMI(ポスト・マージャ―・インテグレーション/経営統合)】

■PMIの重要性について
・PMI(post-merger integration)
 →M&Aのクロージング後の相当期間のうちに実施される統合作業
・中長期的にM&Aを成功させるためには、支払ったプレミアムを超える将来シナジーを、買収後の統合効果で生み出していくことが極めて重要なポイント

■PMIの一般的な流れ
1.PMI全体の流れ 
 → DD/契約交渉 PMIデューディリジェンス
   Phase1(統合準備) 統合プラン策定・準備
   Phase2(統合実行) 統合作業の実行
   Phase3(中長期変革) シナジー最大化の追求
2.「Day0(最終契約締結日)からDay1(クロージング日)まで」(フェーズ1)
 →統合プロジェクトチームを正式に発足、統合プランの策定を開始…Day0
 →Day1までは、統合プロジェクトメンバーの選定
 →Day0からDay1は、短ければ1ヶ月以内、長ければ(許認可の取得の関係等)半年以上のものも
3.「Day1」
 →事務手続きをはじめ、報道対応、社内外への説明会、セレモニー等
4.「Day1からDay100まで」(フェーズ2)
 →Day100以降に向けて、中長期統合プランを策定
 →欧米では、「M&Aに成功した会社は100日で(最初の)成果が現れる」と一般に認識
5.「Day100以降」(フェーズ3)
 →統合作業に最後まで、事務局担当者、現場担当者が責任を持ち関与し続けることが重要

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