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改めて知る中国サプライズ …モバイル機器市場、地場メーカー

  アップル社の四半期業績発表で特に注目を引いたのが、中国でのスマートフォン「iPhone」の販売台数の伸びであり、予想を大きく上回るものとなっている。もう一つ、Huawei, Lenovo, およびXiaomiなど中国地場の低価格帯スマートフォンが、新興経済圏での拡大を煽るとともにシェアを大きく伸ばしてきている。サムスンは反動を受けて、低価格機種および中国市場と大きく影響を受けて、業績が落ち込んでいる。第二四半期の業績および市場データを軸として、もう一歩進んだ中国インパクトの現時点を追ってみる。

≪第二四半期の具体的なデータ≫

アップルとサムスンの中国インパクトによる対照的、端的な以下の現時点である。

◇焦点:モバイル市場に「中国サプライズ」、アップルとサムスンに明暗 (7月26日付け ロイター)
→アップルが22日発表した第3・四半期(4━6月)決算では、中国でのスマートフォン「iPhone」の販売台数が、アナリスト予想の約2倍のペースで伸びていることが明らかになった旨。一方、中国の低価格帯市場では、地場メーカーが販売台数を伸ばしており、業界最大手、サムスン電子の牙城が切り崩されている旨。サムスンは今月8日、低価格機種の在庫積み増しと中国での3G端末の需要低迷を理由に、第2・四半期の営業利益が前年比25%減に落ち込む可能性があると発表した旨。

中国のスマートフォンに向けたファブレス半導体メーカーでも統合が進んでおり、中国との問題を抱えるQualcommにとってもライバル化していく情勢がある。

◇Qualcomm's Problems Just Got Worse As China Builds Chip Giant-China assembles chip behemoth in the low-end market (7月27日付け Forbes)
→中国政府が最終的に所有しているTsinghua Unigroupが、Spreadtrum Communicationsを$1.78 billionで買収して1年、RDA Microelectronicsの$907 million買収を完了の旨。RDAおよびSpreadtrumは、中国の3大ファブレス半導体メーカーに入り、特にlow-end市場が引き続き活況のなか、UnigroupにはQualcommなど半導体メーカーと競わなければならない市場での力が備わってくる旨。

4-6月の中国市場でのタブレット・アプリプロセッサのデータである。

◇Digitimes Research: China sees increased tablet AP shipments in 2Q14 (7月28日付け DIGITIMES)
→Digitimes Research発。2014年第二四半期に中国市場に出荷されたタブレットAPs (application processors)総計が30.6 million個、前四半期比10.5%増、前年同期比39.1%増。コアアーキテクチャーの内訳が、Cortex-A9 39.5%、 Cortex-A7 37.0%およびCortex-A8 12.5%の旨。

政治的な駆け引きも見られており、中国では「バイ中国品」の以下の動きである。

◇米アップル製品、使用禁止を…中国紙「国産に」 (7月29日付け YOMIURI ONLINE)
→中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報が28日付けで、党員や政府職員、軍人らに対し、米アップル社のスマートフォン「iPhone」などの製品の使用禁止を呼びかけるインターネット専門家の論評を掲載した旨。アップル製品を通じて米当局が盗聴や通信データの不正入手を行う危険性を指摘、中国国産の携帯電話への切り替えを推奨している旨。

生産展開では、台湾のFoxconnが多角化を図ってlithium電池の生産を中国内陸部で行おうとしている。

◇Foxconn charges into EV batteries-Foxconn to invest $323M in lithium batteries for EVs (7月29日付け China Daily (Beijing))
→Foxconn Technology Groupが、Apple社向けiPhonesおよびiPads組み立てに加わるprofit driversを求めて中国内陸都市に向かっている旨。同社電池製造部門が、電気自動車用で知られる電源、lithium電池の生産でAnqing(安慶)に2 billion yuan($323 million)以上をつぎ込むことに合意の旨。

スマートフォン・アプリプロセッサの中国市場の本年後半の予測データである。

◇Digitimes Research: Smartphone AP shipments in China to grow 2H14 (7月29日付け DIGITIMES)
→Digitimes Research発。中国市場で出荷されるスマートフォンAP(application processor)について、出荷数量およびベンダーランキング:
出荷数量 …  2014年第三四半期   2014年第四四半期
             107.6 million個    113.5 million個
前四半期比   4.5%増        5.5%増
ベンダーランキング … MediaTek
                Qualcomm
                Spreadtrum Communications
                HiSilicon Technologies
                Leadcore Technology
                Marvell
                Nvidia

同じくスマートフォン・アプリプロセッサの中国市場4-6月データである。
上記と合わせ地場メーカーの台頭ぶりに注目である。

◇Digitimes Research: China sees increased smartphone AP shipments in 2Q14 (7月30日付け DIGITIMES)
→Digitimes Research発。2014年第二四半期に中国市場に出荷されたスマートフォンAPs(application processors)が103 million個、前四半期比13.2%増、前年同期比11.5%増。該出荷のベンダー別内訳:
 MediaTek             52.4%
 Qualcomm 21.4%
 Spreadtrum Communications 9.7%
 HiSilicon Technologies 5.3%
 Marvell 4.4%
 Leadcore Technology 2.9%
 Nvidia 2.4%

全世界でのスマートフォン4-6月データであるが、全体で見ても著しい中国勢の伸びとなっている。

◇スマホ世界出荷23%増で最高、4〜6月、米社調査 (7月30日付け 日経 電子版)
→米調査会社、IDCがまとめた2014年4〜6月期のスマートフォンの世界出荷台数は、前年同期比23.1%増の2億9530万台、新興国での低価格機種の需要が引き続き堅調、出荷台数は四半期として過去最高を更新した旨。メーカー別データ:
1. サムスン電子  7430万台 前年同期比 3.9%減
2. アップル    3510万台  12.4%増
3. 中国・華為技術(ファーウェイ) 2030万台  約2倍
4. 中国レノボ・グループ  1580万台  38.7%増
成長鈍化の兆しがみられるタブレット市場に対し、スマホ市場は新興国を中心に高い伸びが続いている旨。

全世界スマートフォン4-6月データの概況が以下のようにも表わされている。上記のメーカー別第5位も中国のXiaomiとなっている。

◇Android, China Rise in Smartphones (7月31日付け EE Times)
→Strategy Analytics発。2014年第二四半期のグローバルスマートフォン出荷が295.2 million台、前年同期(233 million台)比27%増。今四半期のグローバルスマートフォンの伸びはここ5年で最も低い水準、地域により変動が大きく、アフリカとアジアでは活況の一方、北米と欧州は成熟している旨。Huawei, Lenovo, およびXiaomiの出荷が良くなっており、初めてスマートフォンベンダー5位に上がったXiaomiを"the star performer"としている旨。

奮起が求められるサムスンであるが、当面の対応の一端が表わされている。

◇Samsung Dominance Threatened as Xiaomi Gains Traction-Samsung Q2 net, sales shrink as Chinese suppliers rise (7月31日付け Bloomberg)
→Samsung Electronicsの第二四半期販売高が前年同期比9%減、net incomeが同19.5%減の$6 billionとなった(→2014年7月8日6.参照)が、同社は、XiaomiおよびLenovo Groupに市場のlow endを食われており、新しいiPhoneモデルに向けて奮起している旨。Samsungは、6ヶ月以内に2つのhigh-endスマートフォンをリリースする計画の旨。

上記のアプリプロセッサデータに表われている台湾MediaTekの好調ぶりであるが、4-6月業績が以下の通りである。

◇台湾メディアテック増益、4〜6月、スマホ用半導体好調 (8月1日付け 日経)
→台湾の半導体大手、聯発科技(メディアテック)が31日発表した4〜6月期の連結純利益が、前年同期比87%増の125億台湾ドル(約425億円)、低価格スマートフォンの頭脳となる半導体の需要が中国など新興国で好調、第4世代(4G)の高速携帯サービス用の需要も取り込んだ旨。


≪市場実態PickUp≫

【ご破算?】

pricing条項および国家セキュリティ懸念を巡ってもたついている様相が伝えられたばかりのIBMの半導体製造拠点をGlobalFoundriesに売却するという噂であるが、こんどは頓挫してご破算にという報道が現れている。

◇IBM rejects GlobalFoundries' offer to acquire computer chip business (7月28日付け Albany Business Review)
→いくつかの記事によると、GlobalFoundriesはIBMの半導体製造事業を結局買収しない可能性、両社が合意に到達できなかった旨。Bloomberg発によると、IBMが低すぎるとしてGlobalFoundriesの提示を拒絶した旨。
GlobalFoundriesおよびIBMのスポークスマンは噂あるいは憶測にコメントしないとしている旨。

◇GlobalFoundries reportedly pulls out of deal to buy IBM's chip business (7月28日付け Silicon Angle)

【半導体生産能力】

SEMIがまとめた世界各地域の半導体生産能力2014年予測から、我が国が200-mm換算で世界トップという見方になっている。我が国の活かしきれてない苦境がここにも表れており、今後のIoT展開に期待をかける内容である。

◇半導体生産能力、日本1位、SEMI、2014年予測、多様な品目、対応IoT時代の強みに (7月30日付け 日経産業)
→国際半導体製造装置材料協会(SEMI)がまとめた世界各地の半導体生産能力の2014年予測。外資系半導体メーカーを含む日本の半導体生産能力は、直径200-mmのウェーハ換算で月産約400万枚と世界トップ、2位の台湾と3位の韓国はそれぞれ月産約320万枚の水準にとどまる旨。日本が世界有数の半導体生産能力を保有していることが、あらためて浮き彫りになったが、ただしかし、日本ではこうした多様な生産能力を十分に生かし切れていないのが実情、半導体メーカーの業績不振によって生産ラインの稼働率が低迷、生産量自体は伸び悩んでいる旨。こうした状況が今後一変する可能性、あらゆるものがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things」時代に、「日本の半導体工場が活躍できる可能性が高い」旨。

【wearableイベント】

IoTの代表格、wearableの技術エクスポがニューヨークで開催され、今後はファッション業界が引っ張っていくという見方、およびQualcommのwearables戦略が次の通りである。

◇Wearables Sing in Smart Clothes-Weaving sound into a poncho-Soft hardware needed-Understanding wearable psychology (7月28日付け EE Times)
→Wearable Tech Expo(2014年7月23-24日:The Javits Convention Center, New York City)にて。主流wearable技術の将来は、ファッション業界が引っ張っていく可能性の旨。

◇Q'comm Shares a Wearable Strategy (7月31日付け EE Times)
→Wearable Tech Expo(2014年7月23-24日:The Javits Convention Center, New York City)にて、Qualcommのsenior vice president & president of interactive platforms、Rob Chandhok氏、同社wearables戦略についてのインタビュー記事。wearablesをmass marketにもってくるには、さらに多くの革新が必要の旨。同社はすでに、LG GおよびMoto 360 smartwatchesに向けて設計されたSnapdragon 400半導体でこの途上分野において足場があり、両方ともGoogleのAndroid Wear披露で呼び物にされている旨。

【Osramの人員削減】

照明メーカーで前Siemensの子会社、Osramが、下記の通り大規模な人員削減を行っている。Osramは4〜6月の売上高の4割弱をLED照明関連製品が占めるようになったが、LEDは長く使える上に、低価格のアジア製品が攻勢をかけている実態がある。

◇Massive Job Cuts: Dark Clouds Over Lighting Business (7月30日付け EE Times)
→白熱電球および蛍光灯のような従来の光源が減少する渦中、前身はSiemens子会社である照明メーカー、Osramが、グローバル従業員約35,000人の22%にあたる世界中の7,800 jobsを削減する計画を発表の旨。

◇独オスラム、人員2割削減、照明落ち込み危機感、「元シーメンス」インフィニオン教訓、機敏な構造転換カギ (8月1日付け 日経産業)

【富士通の分社化】

富士通が三重と会津若松の半導体工場を分社化して、ファウンドリーを設立、会津にはON Semiが出資するという発表が行われている。独立企業として顧客への安定供給とファウンドリー事業の拡大を図る主旨となっている。

◇Fujitsu says to seek outside partner for Mie chip plant-Fujitsu fab will be spun off as a foundry (7月31日付け Reuters)

◇富士通と富士通セミコン、半導体2工場を分社 (8月1日付け 日刊工業)
→富士通と富士通セミコンダクターが31日、10―12月に半導体を製造する三重工場(三重県桑名市)と会津若松工場(福島県会津若松市)をそれぞれ半導体受託生産(ファウンドリー)の新会社として分社すると発表、独立した企業としての安定供給とファウンドリー事業の拡大を図る旨。これに伴い、米オン・セミコンダクター(アリゾナ州)と提携し、富士通セミコンダクターが会津若松市に設立する200-mmの半導体工場(新会社)に、オン・セミが少額出資(10%:7億円)することを決めた旨。新会社に移管する200-mm前工程製造ラインでオン・セミの製品を生産、1年以内に量産を始める予定の旨。


≪グローバル雑学王−317≫

まさに秘密基地を巡る007シリーズばりの展開に映ってくるが、オサマ・ビンラディンの意を受けた「PR戦略」部隊、「アッサハブ」の活動ぶりを、

 『国際メディア情報戦』
  (高木  徹 著:講談社現代新書 2247) …2014年1月20日 第1刷発行

より見ていく。カタールの国際衛星ニュース局、アルジャジーラのスター記者にアプローチ、場所不明の山中でビンラディンとインタビューさせて、アルジャジーラにとっての「スター」になるよう揺さぶりをかけたり、「アッサハブによる番組企画書・構成案」を当時のアルジャジーラ・ロンドン支局長にファックスで送りつけたり、と巧みに相手のはやる心をしっかり捉えた活動が繰り広げられている。「アッサハブ」のトップが逮捕された後も、世界に「アッサハブの子供たち」が広がり、勝手にテロの思想を広げつつある事態が進行していると表わされている。


第3章 21世紀最大のメディアスター −ビンラディン

2 スター記者を狙え

□アルカイダとテレビ
・(著者は、)9・11の2年後、2003年にアフガニスタンを取材
 →カブール市内の高級住宅地、アルカイダ幹部が住んでいたというゲストハウス
 →有刺鉄線で周囲の世界と区切られ、中に入ると豪華な応接間やベッドルーム、そして庭にはプールまで
 →その応接間には、世界のニュースチャンネルを映し出し
・9・11以前のアフガニスタン
 →テレビは偶像崇拝につながる「悪魔の箱」として厳禁
 →その時代のカブールで、アルカイダは好んで衛星テレビ放送を見ていた、というのは少し意外

□アッサハブの「PR戦略」
・「アッサハブ」の機能 →「制作」と「PR」の両面
 →素材をエモーショナルな効果を狙って編集、一つの作品を作り上げる能力
 →自らが発するメッセージを既存のメディアを使って世界に送り届ける「PR戦略」
・抜群のアッサハブの国際メディア戦略能力
・アメリカが2004年に発表した「9・11調査報告書」
 →ビンラディンは、当時ハリド・シェイク・モハメドが率いていたメディア委員会(アッサハブのこと)に命じ、プロパガンダビデオを制作
  →数千万、数億の世界のイスラム教徒に一気にメッセージを伝えるために、衛星テレビ局の電波に乗せるというやり方

□アルジャジーラのスター記者を狙う
・当時のアルカイダの重要幹部、ハリド・シェイク・モハメド
 →目をつけたのは、カタールの国際衛星ニュース局、アルジャジーラ
  →アラビア語で放送する一方、取材や演出のノウハウはCNNやBBCをそのまま模倣、一気に視聴者を増やしていた新興勢力
  →スポンサーであるカタール王族の批判だけはタブー、それ以外はすべてやり放題
・アッサハブは、アルジャジーラの中の特定の記者やプロデューサーに狙いをつけてメディア戦略を実行
 →対象の1人に、タイシール・アルーニーという有名な記者
  →最前線からリポート、ビンラディンのインタビューにも成功したアルジャジーラのスター記者

□ビンラディンからの使者
・アルーニー記者はシリア生まれ
 →母国語、アラビア語に加えて英語、スペイン語も堪能という国際的な人物
・ある種の「信頼感」がアルーニー記者とアッサハブの間に
 →どこからともなくビンラディンの「使者」が支局の前に
 →目隠しをされ、場所不明の山中で、ビンラディンがいて、インタビューすることができたとのこと
・ボスニア紛争の先の例でのジム・ハーフ
 →ビンラディンをアルジャジーラにとっての「スター」にして、アルーニー記者の心を揺さぶるアッサハブの戦略はほぼ同質のもの

□アルーニー記者の逮捕と支局爆撃
・アルーニー記者は、9・11の2年後、スペイン警察によって収監
 →こうした逮捕や支局攻撃は自分が結果的にアルカイダのメッセージを伝えることになったために、政治的な動機で欧米諸国から狙われたのだと主張
 →アルーニー記者をアルカイダの一員とまで断定するのは行き過ぎだという(著者の)印象
・個別の記者に狙いをつけたアッサハブのPR戦略が巧み、アルーニー記者は次第にそのメディア戦略に取り込まれてしまったというのが実態か

3 アルカイダから届いた番組企画書

□アルジャジーラの多面性
・アルジャジーラは、1996年に開局
 →オサマ・ビンラディンとアルカイダという21世紀初頭の歴史の主役とともに世界に躍り出た
 →9・11の前後からスクープの形で連発
・2013年8月、「アルジャジーラ・アメリカ」を開局、大きな話題に
・(著者の答えとして、)いくつもの違った顔を持つのがアルジャジーラの本質
・2009年のこと、モンテカルロ・テレビ祭にて
 →審査委員長をしていたのが、アルジャジーラの報道プロデューサー、イギリス人の白人女性
  →2006年に「アルジャジーラ・イングリッシュ」に採用
  →アラビア語放送の方は「よく分からない」という主旨の弁
・9・11からおよそ半年後、当時のアルジャジーラ・ロンドン支局長、ユスリ・フーダ
 →「欧米センス派」の一人

□アルカイダから届いた番組企画書
・アルジャジーラの人気ドキュメンタリー番組、「極秘情報」のプロデューサーでもあるフーダ氏
 →アッサハブのトップであるモハメドは、そのフーダ プロデューサーに直接「アッサハブによる番組企画書・構成案」をファクスで送るという大胆な作戦に
・この「番組構成案」は、明確に9・11は自らの犯行だと認め、その効果の大きさを誇示する内容
 →フーダ プロデューサーにとって大きな魅力、このファクスに応じて自分の番組、「極秘情報」の取材を行うことに

□自らの身柄を賭けたPR戦略
・フーダ氏が指定された連絡先に取材の意志を伝達
 →アッサハブはパキスタンの最大都市、カラチを取材場所に指定
・古びたアパートの一室、フーダ氏の前には、ハリド・シェイク・モハメドその人
 →アッサハブの撮影によってインタビューが進行、2人のアルカイダ幹部は「9・11は我々がやった」と明言したという
・編集や特殊効果の作業はアッサハブで、と譲らず、撮影テープを手にすることなしにフーダプロデューサーは帰国
 →後に9・11の計画に深くかかわったとされるラムジ・ビナルシブ(上記会見取材に同席)の音声だけが収録されたカセットテープが送られてきた
 →それでも、再現映像とともに編集して自らの番組「極秘情報」を制作、大スクープを放送することができた
・このインタビューの1年ほどあと、モハメドは逮捕されてアメリカの手に
 →放送の直後には、ビナルシブも逮捕
・「9・11を自らの仕業と宣言、その成果の大きさをアピールする」メッセージを、アルジャジーラの電波を通じて世界に
 →「アッサハブ」を率いたモハメドの、自らの身柄を賭けた最後の情報戦

□ビンラディンにも統制できない
・「その後のアッサハブ」
 →「アルカイダ」同様、その意志を継ぐ者たちが、「アッサハブ」を名乗って、世界各地でビデオ制作とその拡散を続けているものと推測
・もはやビンラディン自身も統制がきかないほど、世界に「アッサハブの子供たち」が広がり、勝手にテロの思想を広げつつある事態が進行

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