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「半導体市場レポート2018年1月版」を発行−半導体景気は今年も続くか

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半導体の好況が続いている。前回は、2007年をピークに2009年には深い谷底に落ちた。この時にエルピーダが銀行からの資金調達に失敗、Micronに買収された。2010年からは半導体市場は好調で、2014年にピーク、横バイが2年続き、2017年に22%程度の伸びを示し成長曲線に乗った。

先週末、電話会議で発表した2017年のルネサスエレクトロニクスの業績では、売上額が前年比22.1%増の7803億円(GAAP)、営業利益は80億円プラスの784億円で営業利益は10%だった。非GAAPベースでは売上額は7815億円、営業利益は1281億円となった。ルネサスはようやく増収増益の成長曲線に乗ることができた。

しかし、電機大手の業績を見てみると、利益は出ているものの、売り上げは横ばいが続いている。つまり、リストラで利益を出したものの、成長していないのだ。これは成長戦略、すなわち、今は何が成長のエンジンとなりうる「価値」なのかに対する答えが大手電機から出ていない。スマホの次は何か、という単なる電子機器への期待感だけで将来の成長を見ようとしていることに実は問題がある。

もうシステムの時代に突入している。すなわち電子機器という単なるハードウエアだけで戦略を立てることはできなくなっている。システムの時代では、ハードウエアだけではなくソフトウエアと共にどのように価値を生み出すか、という視点が求められている。つまり、ハードやソフトはもちろん、サービスやビジネスモデルまでしっかり固めなければ「価値」につながらないのである。

AppleはMacというパソコンの次の時代を、iPodという専用のインターネットアプライアンスから始まり、iPhone、iPadというハードウエアを発明し、さらにApp Storeというソフトウエア販売の仕組み、iTuneというビジネスモデルまで発明した。そして、iPhoneからはアプリケーションプロセッサAシリーズを自社開発してきて、センサハブ(センサフュージョン)を開発、2017年にはグラフィックスIPをImagination Technologiesから購入せず自社開発を決めたと同時に、電源用ICはDialog Semiconductorからの購入をやめ、自社開発し始めている。Appleは現在CMOSイメージセンサをソニーから購入しているものの、2017年12月には量子フィルムを利用するイメージセンサのInVisage Technologies社を買収した。暗い場所で撮影できるという特長を持つ。今後ソニーはどうなるか。Appleはもはやファブレス半導体メーカーになった。

Appleは、半導体、iPhone/iPad、OTT(Over The Top)としてアプリやサービス、ビジネスモデルといったシステム全体を構築している。これら全体で価値を生み出している。GoogleやAmazon、Facebookらは、このようなAppleに対して焦りを感じている。OTTでサービスを提供するが、ハードウエアや半導体を持っていなかったためだ。だから今、彼らはAIを推進するとともにAIの切り札となる半導体まで開発し始めている。

半導体を取り巻くこういった状況から、今年はどうなるのかを取材し、市場調査会社やアナリストはどう考えているのか調べ、A4で34ページにまとめた。これが「半導体市場レポート 2018年1月版」である。

レポートの構成は次の通り:
第1章:2017年の半導体産業の総括 メモリバブルの1年
第2章:半導体産業は1年前とどう変わったか
第3章:半導体をけん引するアプリケーションは何か
第4章:2018年半導体産業の見通し
第5章:半導体製造装置市場は18年も成長
第6章:中国半導体の変化
第7章:中長期的にはクラウド、AI、クルマ、5G
参考資料30点

この資料は、セミコンポータルの会員以外でも入手できる。しかし、この調査を元にしたセミナー、SPIフォーラム「世界半導体市場、2018年を津田編集長と共に議論しよう」はセミコンポータル会員だけの特権だ。会員なら無料で参加できるが、申し込みは、すでに定員を超えたため打ち切っている。「半導体市場レポート 2018年1月版」は、こちらから申し込める。

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